- 2023-09-25
- 2023-10-07
緻密な構成の作編曲でジャズとクラシックを繋ぐ。伊出身ヴァイオン奏者ルドヴィカ・ブルトーネ
ジョン・バティースやドリーム・シアター、アリジット・シンやカミラ・メサなど豊富な共演歴を誇るイタリア出身のヴァイオリニスト、ルドヴィカ・ブルトーネ(Ludovica Burtone)のデビュー作『Sparks』。弦楽四重奏での優雅なジャズヴァイオリンが聴けたかと思えば、突如フリージャズやブラジル音楽も顔を覗かせるなど多彩な音楽性が楽しい注目の作品だ。
ジョン・バティースやドリーム・シアター、アリジット・シンやカミラ・メサなど豊富な共演歴を誇るイタリア出身のヴァイオリニスト、ルドヴィカ・ブルトーネ(Ludovica Burtone)のデビュー作『Sparks』。弦楽四重奏での優雅なジャズヴァイオリンが聴けたかと思えば、突如フリージャズやブラジル音楽も顔を覗かせるなど多彩な音楽性が楽しい注目の作品だ。
ジャケット絵に驚いて聴かずにスルーしてしまうのはあまりに勿体ない。これはフィンランドの現代ジャズシーンを代表するピアニスト、アキ・リッサネン(Aki Rissanen)の2023年新譜『Hyperreal』。同郷トランペット奏者ヴェルネリ・ポーヨラ(Verneri Pohjola)と、トルコ出身ドラマーのロバート・メメット・イキズ(Robert Mehmet Ikiz)を迎えた今作で、知的で情熱的なサウンドスケープを繰り広げる。
フランスのピアニスト/作曲家ナタリー・バラリーニ(Nathalie Ballarini)のアルバム『Pleinair』は、エリック・サティなどのクラシック音楽や民族音楽、ロックやプログレ、フィリップ・グラスなどのミニマル音楽といった幅広い影響がうかがえるジャズ・ピアノトリオ作品だ。
フランスのベーシスト、ピエール・ブサゲ(Pierre Boussaguet)とイタリア出身のピアニスト、ジョヴァンニ・ミラバッシ(Giovanni Mirabassi)の珠玉のデュオ作『Duo』。二人のオリジナルのほか、(6)「My funny Valentine」や(10)「La vie en rose」といったスタンダードも交えリラックスした演奏を聴かせてくれるジャズの絶品だ。
ベトナム系フランス人ギタリスト、グェン・レ(Nguyên Lê)の新生トリオによる新作『Silk and Sand』。ベースにカナダ出身のクリス・ジェニングス(Chris Jennings)、パーカッションにモロッコ出身のラーニ・クリージャ(Rhani Krija)という俊英を迎え、アジアのテイストが感じられる彼らしい特別なギタージャズ/フュージョンを展開する。
ノルウェーのピアニスト、ヘルゲ・リエン(Helge Lien)の新譜『Funeral Dance』は、彼が師と仰ぐウクライナ生まれのピアニスト、ミハイル(ミーシャ)・アルペリン(Mikhail Alperin, 1956 - 2018)への追悼を込めて制作したアルバムだ。自身のトリオに加えミーシャとの共演歴もあるサックス奏者のトーレ・ブルンボルグ(Tore Brunborg)を迎えており、静かに、そして確かな意志をもって偉大なピアニストを悼む。
傍に寄り添い、疲れた心を優しく洗ってくれるような音楽だ。ノルウェーのピアニスト/作曲家、マレン・セルバーグ(Maren Selvaag)の2019年作『Bare Være』。ピアノ、ダブルベース、ハーディングフェーレ(ハルダンゲル・フィドル)、そしてフォークハープという珍しい編成で、素朴な音色と洗練された演奏で心の脆い部分を直接癒す“北欧ジャズ”の絶品。
大西洋のスペイン自治領カナリア諸島出身、現在はバルセロナで活動するギタリスト/作曲家オクタビオ・エルナンデス(Octavio Hernandez)によるギタートリオ作品『Mas』は、現代的かつ先鋭的なギターサウンドが爽快なジャズだ。ベースにはバシーレ・ラオラ(Basile Rahola)、ピエール・ユルティ(Pierre Hurty)というここ数年活動を共にするメンバーを迎え、コンテンポラリー・ジャズの最先端を行く演奏を聴かせてくれる。
イタリアのピアニスト、エンリコ・ピエラヌンツィ(Enrico Pieranunzi)とベルギーのトランペッター、バート・ヨリス(Bert Joris)による『Afterglow』(2021年)以来となる共演作は、フランクフルト・ラディオ・ビッグバンド(Frankfurt Radio Bigband)を迎えたチェット・ベイカーへのトリビュートアルバムとなった。
フランスを代表するジャズ・シンガー、サラ・ランクマン(Sarah Lancman)の6枚目のアルバム『Le pouvoir des mots』は、古いシャンソンやミュージカル映画からインスピレーションを受けたノスタルジックな作品に仕上がっている。
1997年ラトビア生まれ、現在はオランダ・アムステルダムを拠点とするギタリスト、エラ・ジリナ(Ella Zirina)は新世代のジャズ・ギター・ヒロインとなるであろう逸材だ。オーセンティックなスタイルを軸としながら、卓越した技巧も、繊細なダイナミクスの表現力も、様々な引き出しを持った即興のアイディアも素晴らしく、デビューアルバム『Intertwined』でその技を惜しげもなく披露している。
ドイツ・バイエルン州都ミュンヘン出身のベーシスト/作曲家ニルス・クーゲルマン(Nils Kugelmann)の初リーダー作『Stormy Beauty』が、名門ACTレーベルよりリリースされた。ピアノトリオでの演奏は力強く、情熱や美しい叙情性に溢れており、卓越した若い才能に感嘆させられる内容だ。
セルビアを代表するピアニスト/作曲家Bojan Zことボヤン・ズルフィカルパシチ(Bojan Zulfikarpasic)によるソロ・ピアノでの新作『As Is』は、流れるような美しいピアノの技巧とバルカン半島の伝統音楽の影響を受けた独創的な演奏が楽しめる素晴らしいアルバムだ。
結成20周年を迎える現代ヨーロッパ・ジャズを代表するピアノトリオ、ティングヴァル・トリオ(Tingvall Trio)の通算9枚目のアルバムは“鳥”がテーマ。アルバムタイトルもそのまま『Birds』と題されてた本作で、リーダーでありピアニスト/作曲家のマーティン・ティングヴァル(Martin Tingvall)はアーティストに様々なインスピレーションを与えてくれる“自然界の音楽家”たる鳥たちへの敬意と愛情、同時に人間の活動によって鳥たちが棲む環境が失われていくことへの警鐘を鳴らす。