- 2026-05-30
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セネガル系SSWアワ・リー、四元素を主題としたスピリチュアルな新譜『Essence and Elements』
セネガルにルーツを持つフランス出身シンガーソングライター、アワ・リー(Awa Ly)の『Essence and Elements』(2025年)。大地、水、風、火の“四元素”をテーマに、4つのパートでそれぞれ異なるプロデューサーを迎えてのコンセプチュアルな作品だ。
セネガルにルーツを持つフランス出身シンガーソングライター、アワ・リー(Awa Ly)の『Essence and Elements』(2025年)。大地、水、風、火の“四元素”をテーマに、4つのパートでそれぞれ異なるプロデューサーを迎えてのコンセプチュアルな作品だ。
フランス出身の歌手ローズマリー・スタンドレー(Rosemary Standley)と、ブラジル出身のチェリスト、ドム・ラ・ネナ(Dom La Nena)によるデュオ・プロジェクト、バーズ・オン・ア・ワイア(Birds on a Wire)。2014年に初作『Birds on a Wire』をリリースして以降、それぞれのソロ活動と並行して『Ramages』(2020年)など断続的に、そして丁寧に音楽活動を継続してきた彼女らが、第3作目となるアルバム『Nuées ardentes』をリリース。
グアドループの伝統的な音楽「グウォカ」を現代的に再解釈する活動で知られるドラマー、ソニー・トルーぺ(Sonny Troupé)。2026年リリースの『Evy Danse』は、2013年の『Voyages et rêves』、2017年の『Reflets Denses』から連なる三部作の完結編として位置付けられており、アルバムを通して断片的に語られる架空の女性「Evy」の物語を通して、ソニー・トルーぺ自身の音楽の変容とその終着点を表現する野心的な作品となっている。
現代のブラジル音楽やジャズ、あるいは音楽という概念そのものに絶大な影響を与え、2025年に惜しまれつつ亡くなったブラジルの音楽家エルメート・パスコアールへの最大限の敬意が込められたトリビュート・アルバム『Hermeto Universal』がリリースされた。アルバムはブラジル出身の超絶的なハーモニカ奏者ガブリエル・グロッシ、フランス出身の鍵盤奏者ローラン・クーロンドルの双頭名義だが、リズムセクションにスナーキー・パピー主宰者でベーシストのマイケル・リーグ、キューバ出身の名ドラマー ルイ・アドリアン・ロペス・ヌッサを擁するスーパーバンドでの演奏が核となっている。
イスラエル出身のドラマー、ジヴ・ラヴィッツ(Ziv Ravitz)と、フランス出身のクリストフ・パンザニ(Christophe Panzani)のデュオによる『Warp & Weft』は、おそらく2026年屈指のジャズの名作だ。まるでそのテイクの少なさや、スタジオをレンタルした時間の短さで競うかのように、短期間のセッションでテーマと即興演奏を主体に録音されることの多いジャズという分野の、しかもデュオとしては間違いなく異例の、2年間という制作期間を経て誕生したアルバムは、タイトル「経糸と緯糸」という言葉が喚起するイメージの期待を裏切らない、素晴らしい芸術だ。
フランス出身のジャズ・ヴィブラフォン奏者、サイモン・ムーリエ(Simon Moullier)が早くも6作目となるアルバム『Ceiba』をリリースした。熱帯アメリカやアフリカに自生し、さまざまな文化で神聖視される巨木セイバをインスピレーションの源とし、ポスト・バップから現代のジャズ、そして未来のジャズまでをも見据えたエキサイティングな傑作だ。
ラモマリ(Lamomali)は、フランスを代表するシンガーソングライター、「-M-」ことマチュー・シェディッドが、マリの巨匠コラ奏者であるトゥマニ・ジャバテとその息子バラ・ジャバテ、そして歌手のファトゥマタ・ジャワラと共に結成したユニットで、彼の西アフリカ、とりわけマリ共和国の音楽文化への愛情の結晶だ。 2025年末にリリースされた2枚組アルバム『Lamomali Je t'aime』はその集大成で、西アフリカの伝統的な音楽と西洋音楽が高度に融合した音楽性、そして何よりも文化を超えた人々の繋がりを感じさせる素晴らしい作品だ。
現生ジャズ・レジェンドのひとり、ビレリ・ラグレーン(Biréli Lagrène)。 ジャンゴ・ラインハルト(Django Reinhardt, 1910 - 1953)の正統な後継者として幼少期より類稀な才能を示し、マヌーシュ・ジャズだけでなくフュージョンやジャズロックの分野でも活躍した彼の2026年の最新作『Elegant People』は、ジャズ・ギターの“原点回帰”であり、彼自身の根幹を形作る音楽表現を凝縮した作品だ。
2025年初頭にEP『Fantastik』で注目を集め、その後(6)「Soleil Bleu」のバイラルヒットなどで更なる注目を集めたフランスのシンガーソングライター、ルイーザ(LUIZA)の待望の初フルレンス・アルバム『Luiza』がリリースされた。幼少期からブラジル音楽やフレンチポップ、ワールドミュージック、レゲエといった文化に囲まれて育った彼女のハイブリッドなポップセンスが凝縮された内容で、“トロピカル・ポップの新たなヒロイン”を強く印象づけるものとなっている。
「冷戦でソ連が勝った世界線」を夢想するフランスのデュオ・ユニット、ソヴィエ・シュプレム(Soviet Suprem)の4thアルバム『Rouge』がリリースされた。前作『Made in China』は現代の社会主義大国・中国を中心にアジアをテーマとしたが、今作では原点であるソヴィエト的世界観に立ち返り、鮮烈なルージュ=赤(もちろんそれは共産主義の象徴的な色だ)をジャケットに掲げ、ブラックユーモアで社会を皮肉る。
アメリカ・テキサス州出身のエリトリア系トランペット奏者ハーモン・メハリ(Hermon Mehari)と、3人のフランス人音楽家──ピアニストのエンゾ・カルニエル(Enzo Carniel)、ベーシストのダミアン・ヴァライヨン(Damien Varaillon)、ドラマーのステファン・アズュアール(Stephane Adsuar)──によるカルテット、ナウ・ビューティ(NO(w) Beauty)による2枚目のアルバム『(un)Seen』。伝統的なジャズと、フランスらしい多文化がもたらす知的な音楽的探求が楽しい作品だ。
カリブ海に浮かぶフランス領マルティニーク出身のピアニスト/シンガーソングライター、グレゴリー・プリヴァ(Grégory Privat)の新譜『Darling』。現代クレオール・ジャズの傑作と言って過言ではない傑作だろう。ソロピアノ作品『Yonn』(2022年)やトリオでの野心作『Phoenix』(2024年)を経て、今回のソロ作は彼のキャリアの頂点のように感じる。
現代のマグレブ社会を象徴するシンガーソングライター、スアド・マッシ(Souad Massi) の新作のタイトル『Zagate』は、フランス語で「事態は悪化している」を意味する「ça se gâte」に由来するアルジェリア風スラングだという。この作品は、四半世紀前にアルジェリアからフランスに亡命し、今もなお社会的なテーマを創造力の源とする彼女による、混乱や暴力や人種差別、戦争が絶えない現代社会への鋭利な警告だ。
フランス・リヨンを拠点とするピアノトリオ、フェーン・トリオ(Foehn Trio)の4枚目のアルバム『Soleil de Minuit』がリリースされた。これまでの作品で、現代的なアコースティック・ピアノトリオとしてアヴィシャイ・コーエン(Avishai Cohen)などのイスラエルジャズに影響を受けたサウンドで強い印象を与えてきた彼らだが、今作ではその基盤を残しつつもエレクトロニックの比重が大幅に増加。さらにはエチオピア系フランス人シンガーのフルール・ウォルク(Fleur Worku)を3曲でフィーチュアするなど、新基軸を示す鮮烈な作品となっている。