- 2025-02-09
- 2025-03-02
恍惚のヒュッゲへと至るドイツの気鋭兄弟デュオ、ジュリアン&ローマン・ヴァッサーフール新譜
ピアノとトランペットのドイツの兄弟デュオ、ジュリアン&ローマン・ヴァッサーフール(Julian & Roman Wasserfuhr)がチェロ奏者のイェルク・ブリンクマン(Jörg Brinkmann)を迎え録音したアルバム『Safe Place』は、アルバムタイトル“安全な場所”が示すとおり、日常の喧騒から離れ、雑念を取り払い、静かに心を洗うための音楽だ。
ピアノとトランペットのドイツの兄弟デュオ、ジュリアン&ローマン・ヴァッサーフール(Julian & Roman Wasserfuhr)がチェロ奏者のイェルク・ブリンクマン(Jörg Brinkmann)を迎え録音したアルバム『Safe Place』は、アルバムタイトル“安全な場所”が示すとおり、日常の喧騒から離れ、雑念を取り払い、静かに心を洗うための音楽だ。
1999年にブラジル・サンパウロに生まれ、新興宗教の信者としての実家での生活に適応できず14歳でアメリカに移住、その後2018年にドイツに移住した女性ラッパー、ライース(Laíz)のデビュー作『Ela Partiu』は、新人とは思えないクオリティに驚かされる作品だ。彼女の確立された個性から放たれるラップ、20名から成るバックバンド”The New Love Experience”によるジャズ、ファンク、トロピカリア、アフロビートなどを境界なく融合した高度なアンサンブルは、この特異な人生を歩んできた新世代のアーティストの登場を盛大に祝福する。
ドイツのトランペッター/作曲家、マルクス・シュトックハウゼン(Markus Stockhausen)。彼が自身のカルテットに加え6人のゲスト・ミュージシャンを招いて録音した新譜『Celebration』は、ジャズ、現代音楽、プログレなどを境界なく内包した稀有な作品だ。
デュオとしてのデビュー作『Rosa de los Vientos』(2022年)が話題となったギタリストのメロン・ヒメネス(Melón Jiménez)とバンスリ奏者ララ・ウォン(Lala Wong)の異色デュオによる新譜『Confluencias』がリリースされた。名義はメロン・ヒメネス単独だが、実質はララ・ウォンとの双頭作品で、今作ではエレクトロニックの要素もほどほどに加えた魅力的なエスニック・フラメンコが展開される。
ドイツ・ベルリンを拠点とする女性SSWドータ・ケール(Dota Kehr)と、ブラジル北東部のセアラー州フォルタレザ出身の男性SSWダニーロ・ギリェルミ(Danilo Guilherme)による双頭名義(通称 Dan & Dota)のアルバム『De Repente Fortaleza』がリリースされた。ブラジル北東部特有の空気を纏った軽妙で美しいロック/トロピカリアを継承するサイケロックで、主にポルトガル語で歌われる二人のヴォーカルが織りなす世界観が素晴らしいアルバムだ。
ハンガリー出身のマルチ奏者/作曲家サボルチ・ボグナール(Szabolcs Bognár)のプロジェクト、アバセ(Àbáse)の新作『Awakening』がリリースされた。強めのブラジル音楽エッセンスで絶賛された前作『Laroyê』(2021年)と比較すると今作はよりルーツ回帰的で、アフロ・スピリチュアルな生々しいグルーヴを全編に湛えている。
ドイツの作編曲家/シンガー/ギタリストのモニカ・ロッシャー(Monika Roscher)率いるビッグバンド、Monika Roscher Bigbandの3rdアルバム『Witchy Activities and the Maple Death』が壮絶に凄い。2023年にリリースされたアルバムだが、こんな凄いものを聴き逃してしまっていた…。言葉で説明するのは難しい。とにかく聴き、体験してみるべき作品だ。
ウクライナ出身のギタリスト/作曲家、イーゴリ・オシポフ(Igor Osypov)の2024年新譜『Motherland?2k14』が凄い。現在はドイツ・ベルリンに滞在し、母国に帰ることができない状況となっている彼の個性的な音楽には、従来のジャンルの枠に留まらない洗練されたサウンドの中に曖昧だが示唆的な主張が垣間見える。
ドイツのジャズギタリスト/シンガーソングライター、トルステン・グッズ(Torsten Goods)の2023年新譜『Soul Searching』。ランディ・ブレッカー(Randy Brecker)や欧州ジャズの名手たちをゲストに迎え、80〜90年代のフュージョン/スムースジャズの香りを感じさせる良質な作品だ。ギターのテクニックも、ソウルフルなヴォーカルも、AORからも影響された作編曲も、どれもがセンスに溢れている。
フランス、ブラジル、ポルトガル、コロンビア、ドイツ出身の男女で構成され、ベルリンを拠点に活動するブラジル音楽グループ、ア・パンダ・ド・ソル(A Panda do Sol)はブラジル外に在りながらエモーショナルなサウダーヂ感に溢れた素晴らしいサンバを奏でるバンドだ。ギタリスト/SSWのフェリックス・ユエ(Félix Huet)を中心に2016年に結成された彼らの現時点の最新作『Homenagem』(2022年)は、ブラジルでサンバという素晴らしい音楽を築き上げてきた作曲家たちへの深い愛情が伝わる温かな作品となっている。
ロシア・モスクワ州出身、ドイツ・ベルリン在住のピアニスト/作曲家スヴェトラーナ・マリンチェンコ(Svetlana Marinchenko)の3rdアルバム『Between the Times』がリリースされた。これまで好奇心に溢れたプログレッシヴな音楽を放ってきた彼女にとって、今作はより社会的なテーマへと変遷を遂げたアルバムに仕上がっている──もちろん、それは彼女を取り巻く社会情勢に強く影響を受けたものだ。
サーキュラー・ブリージー(Circular Breeezy)の名でも知られる2000年生まれのドイツのサックス奏者/作曲家ヴィクター・フォックス(Victor Fox)。彼のデビュー作『Mumble Jazz』で彼の音を初めて聴いたが、もうめちゃくちゃに熱く、クレイジーで最高だ。
ドイツ・ベルリンを拠点に、その圧倒的なライヴ・パフォーマンスなどで急速に熱狂的ファンを拡大するモーゼス・ユーフィー・トリオ(Moses Yoofee Trio)が初のミニアルバム『OCEAN』をリリースした。かなりセンセーショナルな出来栄えで、必聴の作品と言って過言ではないだろう。
「地球の音楽」を意味する、本サイト「ムジカテーハ(Musica Terra)」。世界の良質な音楽を皆様にご紹介しているわけであるが、果たして実際に現地ではどのような音楽が聴かれているのであろうか?本特集の第1回はドイツ・ベルリン。オーケストラが有名な音楽の都で実際に流れる「音」の旅をお届けしたい。