- 2026-10-09
- 2026-10-10
「ときどき、両生類。」アンティア・ムイーニョが歌う、ガリシアの伝統とその先にある音楽
ガリシアの伝統音楽をルーツに持ち、ジャズやブラジル音楽、イベロアメリカの音楽へと関心を広げてきたシンガーソングライター/ギタリスト、アンティア・ムイーニョ(Antía Muíño)が、2022年のデビュー作『Carta Aberta』から約4年を経て第2作目となるアルバム『Anfibia Por Veces』をリリースした。
ガリシアの伝統音楽をルーツに持ち、ジャズやブラジル音楽、イベロアメリカの音楽へと関心を広げてきたシンガーソングライター/ギタリスト、アンティア・ムイーニョ(Antía Muíño)が、2022年のデビュー作『Carta Aberta』から約4年を経て第2作目となるアルバム『Anfibia Por Veces』をリリースした。
ブラジル音楽/MPBの巨匠、ジョアン・ボスコ(João Bosco)が新作『Amigos Novos e Antigos』をリリースした。80歳を記念するスタジオ録音盤で、彼の過去の名曲の新たなアレンジと録音を軸に、半世紀前のアルバム『Essa É a Sua Vida』に収められていた楽曲をアルバムタイトルとした「新しい友と古い友」を象徴するように、同世代であるカエターノ・ヴェローゾやシコ・ブアルキ、さらに彼らの遺産を継承した新世代であるジョタ・ペーやシウヴァといったアーティストをゲストに招き、彼の長いキャリアを総括する素晴らしい作品に仕上がっている。
ブラジル出身でカナダ・トロントを拠点に活動するマルチ器楽奏者/作曲家フェリピ・セナ(Felipe Sena)を中心としたブラジリアン・サイケバンド、オービタル・アンサンブル(Orbital Ensemble)が第2作目となるアルバム『Contínua』をリリースした。今作ではブラジル音楽の伝統を基盤に、トロピカリアのサイケ感やジャズ、ファンク、ラテンなどの要素を取り込んだ、より多層感のあるアンサンブル・サウンドへと進化している。
イチベレ・ズヴァルギ(Itiberê Zwarg)率いるグループでの活躍で知られるブラジル・リオデジャネイロのサックス奏者/マルチ奏者/作曲家、ユーリ・ヴィラール(Yuri Villar)が、ソロとしては第2作目となるアルバム『A Maré』をリリースした。各種サックスやフルートの他、パーカッション、ギター(ヴィオラォン)、鍵盤楽器など多様な楽器を自身で操りながら、アルバム全体では30名を超えるゲストも参加。ブラジルらしい豊穣な音楽の文脈に根差した素晴らしい作品となっている。
南アフリカのシンガーソングライター、ジャブリレ・マジョラ(Jabulile Majola)が、ソロとしての初アルバム『Ipasi』をリリースした。穏やかなアコースティック・ギターと歌を軸に、ピアノや弦楽器、金管、パーカッションなどをさりげないアレンジで加えた全11曲。2025年のEP『Isitifiketi』で聴かせたアフロ・フォークを引き継ぎながら、曲によって編成を大きく変え、前作よりも幅のあるサウンドに仕上げている。
“サイケデリック・グルーヴ”を掲げるオランダ・ユトレヒトの6人組バンド、カーヴァロ・ネーロ(Cavolo Nero)による初のフル・アルバム『Mountain Disco』。山の中にある架空のクラブ「Mountain Disco」では、アフロビートも、ファンクも、ディスコも、クンビアも、サイケデリック・ロックも関係なく、ただ音楽が鳴っている。日常のことはいったん忘れて、踊る──そんな幸せな場所が、このアルバムのテーマだ。
シンガー/ピアニストのヴィオレット・ラピエール(Violette Lapierre)と、ギタリスト/シンガーのジョーダン・オフィサー(Jordan Officer)によるカナダ・ケベックの男女デュオ、ヴィオレット&ジョーダン(Violette & Jordan)のデビュー・アルバム『Dahlia』。
マトゥ・ミランダ(Matu Miranda)の第2作目となるアルバム『Apuama』は、2026年のブラジル音楽(MPB)の最重要トピックとなるだろう。2024年のデビュー作『Matutando』で、ミシェル・ピポキーニャ(Michael Pipoquinha)からレニーニ(Lenine)まで、新旧のスターたちの協力を得て“MPBの正当な後継者”として確信を強く印象に刻んだその実力はやはり伊達ではなかった。
トルコ系サイケデリック・ロック・バンド、Şatellites(シャテライツ)の創設者として知られるマルチ器楽奏者/作曲家イタマール・クルーガー(Itamar Kluger)が、自身のソロ・プロジェクト「Eje Eje」名義のデビュー作『Primordial Soup』をリリースした。洋の東西を問わず幅広い音楽を混合した音楽性は、生命発生の起源「原始のスープ」を意味するアルバム・タイトルに象徴されている。
2019年のブリタニー・ハワード(Brittany Howard)のソロ作『Jaime』が唯一無二の素晴らしい出来栄えだったから、彼女のバンドであるアラバマ・シェイクス(Alabama Shakes)が11年ぶりの新譜『I Must Be Dreaming』をリリースしたと知ってさっそく聴いてみた。結論、今作は同バンドの初期の「ブルース・ロックの新星」というイメージからは随分と進化した、“サイケデリック・ソウルの現在地”と呼べるような作品だった。
ブラジル、リオグランデ・ド・スル州の新鋭ギタリスト/作曲家、グスタヴォ・ヴィリッシモ(Gustavo Virissimo)が、デビュー・アルバム『Reflexos』で瑞々しく素晴らしい創作力を証明してみせた。アルバムにはすべて彼自身の作曲による8曲が収録されており、フレーヴォやバイアォン、サンバといったブラジル音楽のリズム語法と、現代ジャズがごく自然に融合した楽曲群は驚くほどの完成度を誇る。アルバムタイトル「Reflexos(反射)」は、各楽曲が作曲者自身の記憶や人間関係、感情の断片を映し出すという意味が込められている。
日曜の夜に、お酒を飲みながらモニカ・サウマーゾ(Mônica Salmaso)の歌をじっくりと聴く、というのは最高の幸せであり、贅沢なのではないだろうか。彼女の新作『Senhora das Canções - Um Tributo a Elizeth』を聴きながら、まず最初にナイロール・プロヴェータ(Nailor Proveta)のあたたかなクラリネットのトリルが聴こえ、しばらくしてモニカの穏やかで情緒に富んだ歌と、それを追いかけるようなテコ・カルドーゾ(Teco Cardoso)のフルートが耳にゆっくりと流れ込んでくる。あまりに美しい旋律の流れと、モニカの歌を最大限に聴かせつつ細部まで妥協しないアレンジの妙技に心が惹かれる。つづく軽やかなサンバ(2)「Seresteiro」が流れると、込み上げるような想いとともに、冒頭のような多幸感を感じた。
現代ブラジル器楽音楽を代表する4人──、ベース奏者のブルーノ・ミゴット(Bruno Migotto)、ギタリストのヴィニシウス・ゴメス(Vinícius Gomes)、ドラマーのエドゥ・ヒベイロ(Edu Ribeiro)、そしてアコーディオン奏者トニーニョ・フェハグッチ(Toninho Ferragutti)が、ECMレーベル作品を多数録音していることで知られる南フランスのスタジオ「La Buissonne」に集い録音したアルバム『O Tempo das Cores』をリリース。洗練された音楽性のなかに暖かく息づく、ブラジルらしい陽光が散りばめられた傑作だ。
イラン出身のクラリネット奏者シャブナム・パルヴァレシュ(Shabnam Parvaresh)率いる実験的ジャズトリオ、シーン・トリオ(Sheen Trio)の新譜『Transitory』が面白い。イギリス出身のギタリスト、ウラ・マーティン=エリス(Ula Martyn-Ellis)と、ドイツ出身ドラマーのフィリップ・ブック(Philipp Buck)という国籍や文化を超えたトリオで、構造的な側面と即興的な側面を自在に行き来し、不安定な現代社会の混乱と、それでも未来へと向かう希望のエネルギーを象徴するような音楽を奏でる。