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ギター

  • 2025-09-14
  • 2025-09-14

独自の詩的情景を描くギタリスト、ヨアヴ・エシェド『Guitar Hearts』が映すNY現代ジャズの多様性

クラシック・ピアニストとしての経験から生み出された独自のアプローチで注目されるジャズ・ギタリスト、ヨアヴ・エシェド(Yoav Eshed)の新作『Guitar Hearts』がリリースされた。今作もカルテット編成を基本としており、NY出身のベース奏者ベンジャミン・ティベリオ(Benjamin Tiberio)と、韓国出身でNYで活躍するドラマーキム・ジョングク(Jongkuk Kim)を前作から引き続き起用。ここに新たにGTOトリオで知られるピアニストのガディ・レハヴィ(Gadi Lehavi)が加わり、全編で素晴らしい演奏が繰り広げられる。

  • 2025-09-09
  • 2025-09-05

闘病する我が子への切実な想い、現代最高峰ギター奏者ロテム・シヴァン新譜『Heart Thieves』

現代ジャズ・ギターの第一人者の一人、ロテム・シヴァン(Rotem Sivan)の2025年の新作『Heart Thieves』がリリースされた。コアトリオを組むのはニューヨークでも注目を集める二人の若手、ニュージーランド出身のベース奏者ハミッシュ・スミス(Hamish Smith)とNYブロンクス生まれのドラマー、ミゲル・ラッセル(Miguel Russell)。

  • 2025-08-31
  • 2025-08-31

オランダ出身の気鋭ギタリスト、オリヴィエ・ファン・ニーケルクの鮮烈なデビュー作『U2146x6』

オランダ・アムステルダム出身のギタリスト/作曲家、オリヴィエ・ファン・ニーケルク(Olivier Van Niekerk)のデビュー・アルバム『U2146x6』は、ジャズ・ギターの伝統と革新がバランスよく混ざり合った注目すべき作品だ。アルバムにはビル・フリゼール(Bill Frisell)のカヴァー(3)「Strange Meeting」を除き、全曲オリヴィエ・ファン・ニーケルクのオリジナルを収録。

  • 2025-08-24
  • 2025-08-24

時代を超える普遍的な傑作。レイヴェイ、待望の3rdアルバム『A Matter of Time』

2ndアルバムである前作『Bewitched』(2023年)がグラミー賞を受賞し、まだわずか5年程度の活動期間ながら一気に世界的なスタートなったレイヴェイ(Laufey)が、待望の新譜『A Matter of Time』をリリースした。現代のポップカルチャーと、レトロでノスタルジックな音楽を高いレベルで融合した唯一無二の存在であるレイヴェイの魅力と存在感を一段と際立たせる作品として広く注目を集め、おそらくは想像以上の再生回数の数字をもって彼女のスター性をあらためて証明するだろう。

  • 2025-08-15
  • 2025-08-09

エジプトの精神性と70年代ジャズが響き合う、IKEのデビュー作『On Higher Dreams』

イタリア出身の作曲家/ギタリスト/教育者のアイク(IKE)のデビューアルバム『On Higher Dreams』。パンデミック中にエジプトで過ごした彼は、そこで現地の音楽文化から強いインスピレーションを受け、アナログ機材を用いてジャズとエレクトロニックを融合した独自の洗練されたサウンドを生み出した。

  • 2025-08-11
  • 2025-08-11

エレガットで奏でる甘美なジャズ。以女性ギタリスト、インバール・フリードマン新作『Mercy』

イスラエル出身のギタリスト、インバール・フリードマン(Inbar Fridman)の新譜『Mercy』。バンドメンバーには鍵盤奏者のカティア・トゥーブール(Katia Toobool)、ベーシストのリオール・オゼリ(Lior Ozeri)、ドラマーのヨゲフ・ガバイ(Yogev Gabay)を迎えている。メロウなトーンのインバール・フリードマンのギターを中心に、とろけるようなエレピやフレットレス・ベースが絡む良質なエレクトリック・ジャズだ。

  • 2025-08-07
  • 2025-08-07

ポスト・ボサノヴァの本流。ブラジル先住民族出身の女性SSWタイナー、注目の新作『Âmbar』

ブラジル北部パラー州の先住民族の家系出身のシンガーソングライター、タイナー(Tainá)の2作目となるアルバム『Âmbar』。ボサノヴァを基調とした柔らかなリズム、愛情、孤独、郷愁、憧れ、欲望といった誰もが抱く普遍的な感情をありのままに表現する自然で巧みなソングライティング、そして飾らない美しさを湛えた歌声と、ブラジルの豊かな音楽文化を象徴しつつも幅広いリスナーに訴求できる親しみやすい要素を兼ね備えた傑作だ。

  • 2025-08-05
  • 2025-08-04

デジタルクンビアとスークースの衝撃的融合。Ale Hop & Titi Bakorta『Mapambazuko』

アレ・ホップ&ティティ・バコルタ(Ale Hop & Titi Bakorta)名義の不思議なエレクトロ・ワールドミュージック『Mapambazuko』が、妙にクセになるサウンドで面白い。これはペルー出身の実験的エレクトロニック・ミュージシャン、アレ・ホップ(Ale Hop)ことアレハンドラ・カルデナス(Alejandra Cárdenas)と、コンゴ出身のギタリスト、ティティ・バコルタ(Titi Bakorta)によるコラボレーション・アルバムで、ウガンダを拠点とする気鋭レーベル「Nyege Nyege Tapes」からリリースされた。

  • 2025-07-26
  • 2025-07-26

ミナスを代表する総勢26名の音楽家が参加。7弦ギタリスト/作曲家ジュリアーノ・カマラ 初のソロ作

ミナスジェライス州チラデンテス出身の7弦ギタリスト/作曲家のジュリアーノ・カマラ(Juliano Camara)による素晴らしいソロデビュー・アルバム『Cabeças Flutuantes』が届いた。アルバムにはセルジオ・サントス(Sergio Santos)やハファエル・マルチニ(Rafael Martini)ら総勢26名の音楽家が集い、ミナスらしい豊かな複雑性と躍動感を兼ね備えた音の世界が広がる。

  • 2025-07-24
  • 2025-07-21

『Saga』:名手ヤマンドゥ・コスタが室内楽アンサンブルで紡ぐラテンアメリカの音楽叙事詩

ブラジルの7弦ギターの名手ヤマンドゥ・コスタ(Yamandu Costa)の新作は、アルゼンチンのバンドネオン奏者マルティン・スエド(Martin Sued)が率いるアンサンブルであるオルケストラ・アッシントマティカ(Orquestra Assintomática)とのコラボレーション・アルバム『Saga』だ。ブラジルやアルゼンチンを中心とした様々な南米音楽、それにジャズ、クラシックといった音楽の境界を易々と超え、自由に新しい音楽を紡いでゆく、豊かなスケールの作品となっている。

  • 2025-07-23
  • 2025-07-21

カタルーニャのSSWポル・バトリャ、エレクトロ×サイケロックで人生の転換期を表現するEP

カタルーニャのシンガーソングライター/ギタリストのポル・バトリャ(Pol Batlle)の新作EP『A Caballo Voy』は、彼の人生における転換期と、音楽的な進化のプロセスを示す重要な作品だ。今作はポル・バトリャが2018年から2019年にかけて作曲した5曲で構成されており、彼の母親が若年性アルツハイマー病と診断された後に創作活動を再開した時期の作品集で、アコースティックとエレクトロニックの絶妙なブレンドによって感情的な深さを捉えている。

  • 2025-07-11
  • 2025-07-12

NYで生まれた奇跡の魔法。アダム・ニーリー&ラウ・ノア、親密なデュオの対話が紡ぐ秘密の音楽

YouTubeでの活動などを通じて、ジャズの領域だけでなく多様なファンを獲得した人気ベーシストのアダム・ニーリー(Adam Neely)と、カタルーニャ出身で独自の現代ギター音楽を探求し、ジェイコブ・コリアーやシルビア・ペレス・クルス、シャイ・マエストロといった世界中の音楽家たちと共演するギタリストのラウ・ノア(Lau Noah)が、デュオによるEP『The Way Under』をリリースした。

  • 2025-07-08
  • 2025-07-07

パキスタン系米国人ギター奏者、レズ・アバシ新譜はスピリチュアル・アコースティック・ジャズ

パキスタン出身、米国育ちの熟練のギタリスト/作曲家レズ・アバシ(Rez Abbasi)の新譜『Sound Remains』がリリースされた。今作は国際的に高い評価を受けるRAAQに、ジョージア生まれのパーカッション奏者ハサン・バクル(Hasan Bakr)を加えた編成となっており、レズ・アバシが全編で弾くスティール弦のアコースティック・ギターと米国出身のビル・ウェア(Bill Ware)のヴィブラフォンをサウンドの中心に据えた、他ではなかなか味わうことの難しいジャズのサウンドを聴かせてくれる逸品だ。