- 2025-08-15
- 2025-08-09
エジプトの精神性と70年代ジャズが響き合う、IKEのデビュー作『On Higher Dreams』
イタリア出身の作曲家/ギタリスト/教育者のアイク(IKE)のデビューアルバム『On Higher Dreams』。パンデミック中にエジプトで過ごした彼は、そこで現地の音楽文化から強いインスピレーションを受け、アナログ機材を用いてジャズとエレクトロニックを融合した独自の洗練されたサウンドを生み出した。
イタリア出身の作曲家/ギタリスト/教育者のアイク(IKE)のデビューアルバム『On Higher Dreams』。パンデミック中にエジプトで過ごした彼は、そこで現地の音楽文化から強いインスピレーションを受け、アナログ機材を用いてジャズとエレクトロニックを融合した独自の洗練されたサウンドを生み出した。
イスラエル出身のギタリスト、インバール・フリードマン(Inbar Fridman)の新譜『Mercy』。バンドメンバーには鍵盤奏者のカティア・トゥーブール(Katia Toobool)、ベーシストのリオール・オゼリ(Lior Ozeri)、ドラマーのヨゲフ・ガバイ(Yogev Gabay)を迎えている。メロウなトーンのインバール・フリードマンのギターを中心に、とろけるようなエレピやフレットレス・ベースが絡む良質なエレクトリック・ジャズだ。
ブラジル北部パラー州の先住民族の家系出身のシンガーソングライター、タイナー(Tainá)の2作目となるアルバム『Âmbar』。ボサノヴァを基調とした柔らかなリズム、愛情、孤独、郷愁、憧れ、欲望といった誰もが抱く普遍的な感情をありのままに表現する自然で巧みなソングライティング、そして飾らない美しさを湛えた歌声と、ブラジルの豊かな音楽文化を象徴しつつも幅広いリスナーに訴求できる親しみやすい要素を兼ね備えた傑作だ。
アレ・ホップ&ティティ・バコルタ(Ale Hop & Titi Bakorta)名義の不思議なエレクトロ・ワールドミュージック『Mapambazuko』が、妙にクセになるサウンドで面白い。これはペルー出身の実験的エレクトロニック・ミュージシャン、アレ・ホップ(Ale Hop)ことアレハンドラ・カルデナス(Alejandra Cárdenas)と、コンゴ出身のギタリスト、ティティ・バコルタ(Titi Bakorta)によるコラボレーション・アルバムで、ウガンダを拠点とする気鋭レーベル「Nyege Nyege Tapes」からリリースされた。
ミナスジェライス州チラデンテス出身の7弦ギタリスト/作曲家のジュリアーノ・カマラ(Juliano Camara)による素晴らしいソロデビュー・アルバム『Cabeças Flutuantes』が届いた。アルバムにはセルジオ・サントス(Sergio Santos)やハファエル・マルチニ(Rafael Martini)ら総勢26名の音楽家が集い、ミナスらしい豊かな複雑性と躍動感を兼ね備えた音の世界が広がる。
ブラジルの7弦ギターの名手ヤマンドゥ・コスタ(Yamandu Costa)の新作は、アルゼンチンのバンドネオン奏者マルティン・スエド(Martin Sued)が率いるアンサンブルであるオルケストラ・アッシントマティカ(Orquestra Assintomática)とのコラボレーション・アルバム『Saga』だ。ブラジルやアルゼンチンを中心とした様々な南米音楽、それにジャズ、クラシックといった音楽の境界を易々と超え、自由に新しい音楽を紡いでゆく、豊かなスケールの作品となっている。
カタルーニャのシンガーソングライター/ギタリストのポル・バトリャ(Pol Batlle)の新作EP『A Caballo Voy』は、彼の人生における転換期と、音楽的な進化のプロセスを示す重要な作品だ。今作はポル・バトリャが2018年から2019年にかけて作曲した5曲で構成されており、彼の母親が若年性アルツハイマー病と診断された後に創作活動を再開した時期の作品集で、アコースティックとエレクトロニックの絶妙なブレンドによって感情的な深さを捉えている。
YouTubeでの活動などを通じて、ジャズの領域だけでなく多様なファンを獲得した人気ベーシストのアダム・ニーリー(Adam Neely)と、カタルーニャ出身で独自の現代ギター音楽を探求し、ジェイコブ・コリアーやシルビア・ペレス・クルス、シャイ・マエストロといった世界中の音楽家たちと共演するギタリストのラウ・ノア(Lau Noah)が、デュオによるEP『The Way Under』をリリースした。
パキスタン出身、米国育ちの熟練のギタリスト/作曲家レズ・アバシ(Rez Abbasi)の新譜『Sound Remains』がリリースされた。今作は国際的に高い評価を受けるRAAQに、ジョージア生まれのパーカッション奏者ハサン・バクル(Hasan Bakr)を加えた編成となっており、レズ・アバシが全編で弾くスティール弦のアコースティック・ギターと米国出身のビル・ウェア(Bill Ware)のヴィブラフォンをサウンドの中心に据えた、他ではなかなか味わうことの難しいジャズのサウンドを聴かせてくれる逸品だ。
フランスの現代ジャズシーンで活躍するギタリスト/作曲家、ピエール・ペルショー(Pierre Perchaud)が7年ぶりのリーダー作となる『Fleur d'immortelle』をリリースした。ダンサブルなリズムに、エレクトリック・ギターやシンセをフィーチュアした(1)「Go on」から、随所に前衛的な表現を交えたサウンドが刺激的な好盤となっている。
インドネシア・ジャカルタの男女ギター・デュオ、ドゥア・ウンパ(Dua Empat)の新作『Dua Empat』がとても心地よい。音楽性はボサノヴァやサンバを経由したジャズのサウンドが特徴的で、多数のゲスト・ヴォーカリストも迎えて涼しい音楽の風を運んでくれる、素敵な作品だ。
傑出した新世代のシンガーソングライターであり、パーカッシヴな演奏が高く評価されるギタリストであり、ブラジル北東部(ノルデスチ)の音楽シーンで独自の存在感を示すアーティストであるジョシアラ(Josyara)による3枚目のアルバム『AVIA』がリリースされた。物語を紡ぐように流れる全10曲はどれも素晴らしく、アフロブラジル音楽の新たな傑作と呼ぶべき高い完成度を誇る作品だ。
フランス出身のギタリスト、アントワーヌ・ボワイエ(Antoine Boyer)と、韓国出身のクロマチックハーモニカ奏者キム・ヨレ(Yeore Kim, 김여레)のデュオによる第二弾アルバム 『You and I』がリリースされた。ジャズを基調に、クラシックやジプシー音楽の要素を自然に取り入れており、二人の音楽的パートナーシップを超えた親密さのみが成し得る、抒情的で美しい作品だ。
これはとんでもない傑作だ。2017年にジョヴァンニ・イアシ(Giovanni Iasi)とのデュオでデビューし、称賛を浴びたブラジルのSSW/ギタリストのペドロ・イアコ(Pedro Iaco)は、2025年の新作『Sangria』で、単なるエンターテインメントとしての音楽に留まらない哲学や精神性を備えた限りなく美しい世界観を見せ、彼のアーティストとしての真髄を深く掘り下げている。