- 2026-08-12
- 2026-08-02
スウェーデンのSSWスミエ・ナガノ 病を経て命と向き合った、儚げな北欧フォーク作『Stardust In Valleys』
スウェーデンのシンガーソングライター、スミエ(Sumie、本名サンドラ・スミエ・ナガノ)の9年ぶりとなるアルバム『Stardust In Valleys』は、ギターと声を中心としたシンプルなサウンドによって、驚くほど豊かな感情を包み込んだ優れた北欧フォーク作品だ。
スウェーデンのシンガーソングライター、スミエ(Sumie、本名サンドラ・スミエ・ナガノ)の9年ぶりとなるアルバム『Stardust In Valleys』は、ギターと声を中心としたシンプルなサウンドによって、驚くほど豊かな感情を包み込んだ優れた北欧フォーク作品だ。
2019年に中国・上海で結成され、数々のシングルヒットで注目されていたモロッコ出身の男女デュオ、サラ&イスマイル(Sarah & Ismael)が、初のフルレンス・アルバムとなる『MANGA』をリリースした。モロッコのローカルな音楽性を基盤としつつ、ポップスやロック、ソウル、さらには中国などアジアを感じさせる音像も交えた、とてもクオリティの高い作品だ。
ボスニア・ヘルツェゴビナのサラエヴォ出身のドラマー、スルジャン・イヴァノヴィッチ(Srdjan Ivanovic)が率いるカルテット「Blazin' Quartet」の2026年新譜『Cosmogonie』は、ギリシャ神話の天地創造(Cosmogony)にインスパイアされた、壮大なコンセプト・アルバムだ。
今、これほど面白い一流のジャズトリオは、ほかにないと思う。 トリオ・グランデ(Trio Grande)。ギタリストのギラッド・ヘクセルマン(Gilad Hekselman)、サックス奏者のウィル・ヴィンソン(Will Vinson)、そしてドラマー/ベーシストのネイト・ウッド(Nate Wood)から成るトリオだ。特に、器用にベースを弾きながらドラムスを叩く(ドラムスを叩きながらベースを弾く、の方が正しいかもしれない)ネイト・ウッドの姿を初めて見れば「大道芸か」と見紛うかもしれないが、聴けば聴くほどに彼らが音楽的にも“人並外れた”存在だと気付くはずだ。
2020年代ブラジル・インディーを代表する二人の気鋭シンガーソングライター、ソフィア・シャブラウ(Sophia Chablau)とフェリピ・ヴァケイロ(Felipe Vaqueiro)が出会い意気投合、2025年10月にリリースしたアルバム『Handycam』。MPBやトロピカリアに通ずるサイケロックを基調に、親密で文学的なソングライティングによって恋愛や友情といった身近な感情から、戦争やメディアのあり方までを描いた、要注目の作品となっている。
特注のダブルネック・ギター(フレットレスとフレッテッド)を用い、独自の音楽を表現するイラン出身のマハン・ミララブ(Mahan Mirarab)。彼が初めて名門ACTレーベルより発表した『Unspoken』(2026年)は、そのタイトルが示すように、彼自身に内在する言葉にできない数々の想い──望郷、喪失、沈黙、憤怒、そして希望など──が込められた精神的な深みのある作品だ。
1991年にカーボベルデ・サンヴィセンテ島のミンデロ(セザリア・エヴォラもミンデロ出身)に生まれた歌手クレミルダ・メディーナ(Cremilda Medina)の3枚目のスタジオ・アルバム『Lágrima』(2026年)は、モルナが本来持つ静謐な美しさを見つめ直した意欲作だ。伴奏はギターやカヴァキーニョなどの弦楽器を中心としたアコースティック編成に徹し、現代的な装飾を極力排することで、歌そのものが持つ豊かな情感を丁寧に浮かび上がらせている。
イスラエル出身・ニューヨークを拠点とするギタリスト/ベーシスト/作曲家のタル・マシアハ(Tal Mashiach)のソロ第二弾『Who's Around?』がリリースされた。自身が所属する現代ジャズの最高峰ピアノトリオであるGTO Trio のメンバーはもちろん、世界各地から多様な音楽家を迎え、影響源の幅広さを窺わせる多彩なオリジナル楽曲によって鮮やかに彩られたアルバムだ。
『Pont De Vie』はアコースティックギター、ダブルベース、バンドネオンのトリオ編成という珍しい作品ながら、地中海から北欧まで旅するようなシネマティックな音像が素晴らしく、静かな夜にじっくりと耳を傾けたい作品だ。 演者はポーランド出身のギタリストのマチェク・ピシュ(Maciek Pysz)、ロシア出身のベース奏者ユーリ・ゴルベフ(Yuri Goloubev)、そしてイタリアのバンドネオン奏者ダニエレ・ディ・ボナヴェンチュラ(Daniele di Bonaventura)。
フランスのギタリスト、グウェン・カユ(Gwen Cahue)の第5作目となるアルバム『Mosaïque』がリリースされた。全編マカフェリ・ギターを弾き、曲によって2種類のトリオを起用した作品で、とかくスピードとテクニックに偏重しがちなジャズ・マヌーシュに高度な叙情性と音楽性を持ち込んだ優れた作品だ。
ハファエル・ジメネス(Raphael Gimenes)の4作目となる『Caçador De Horizontes』(2026年)は、最大限の賛辞を贈るに値する最高のアルバムだ。アレシャンドリ・アンドレスを共同プロデューサー/フルート奏者として迎え、ミナスの伝統を受け継ぐ声とガットギターを基調に、“アルゼンチン・ネオフォルクローレ”のシーンにも繋がる室内楽的な管弦楽やジャズのエッセンスを加え、南米音楽と北欧音楽の見事な調和ともいうべき壮大なスケールの作品を創り上げた。
ジョーイ・ワロンカー(Joey Waronker)、ルーク・レイノルズ(Luke Reynolds)、そしてザック・レイ(Zac Rae)という長年アメリカの音楽を支えてきた3人のセッション・ミュージシャンによる新プロジェクト『Proof』。その源泉にあるのは、1960〜70年代のサイケロックへの憧憬と、英語以外の言語で歌われるポピュラー音楽への関心だった。
インドのシタール奏者プルバヤン・チャタジー(Purbayan Chatterjee)と、アメリカ合衆国のギタリスト、マーク・レッティエリ(Mark Lettieri)の興味深い共演作『Feathered Creatures』がリリースされた。自身の音楽的基礎を超越したい、という根源的な欲求から生み出されたこのアルバムは、インドのシタールと西洋のエレクトリック・ギターというそれぞれの文化を代表する弦楽器が対等に対話し、新しい音楽の風景を見せてくれる作品だ。
アルゼンチン第3の都市、ロサリオを拠点とするインストゥルメンタル・ジャズファンクバンド、ラテロニアス(Latelonius)の2026年新譜『Lonius』が最高だ。パーカッション奏者2人を含むソリッドなリズム隊と強力な管楽器セクション、変幻自在のギターにキーボード、さらにはターンテーブル奏者も備えた12人の大編成(バンドメンバーは8人だが、準メンバー的に4人が加えられている)で繰り出される完膚なきグルーヴが脳天を貫き、神経を電流で刺激する。