TAG

ラテン

  • 2025-03-30
  • 2025-03-29

ラテンジャズを愛するスイス出身若手女性ピアニスト、マノン・ミュレナーが描くそれぞれの人生の物語

スイス出身、ニューヨークで活動するジャズピアニスト/作曲家マノン・ミュレナー(Manon Mullener)が、世界中で出会った人々の人生の物語にインスパイアされ制作した新譜『Stories』が素晴らしい。キューバ音楽に影響を受け、現代NYで演じられるヨーロピアン・ジャズといった独特の趣のある作品で、多様なアイディアの発現からこの若手音楽家の才能が確信できる秀でた作品となっている。

  • 2025-03-23
  • 2025-03-23

アメリカの燻銀アンサンブル Conjunto Berretin、タンゴの深淵を覗かせる新譜『La Mariposa』

アメリカ合衆国オレゴン州ポートランドを拠点に20年以上活動するタンゴ・アンサンブル、コンフント・ベレティン(Conjunto Berretin)の2025年新譜『La Mariposa』は、伝統的なアルゼンチン・タンゴを軸に、ジャズやクラシックの音楽的な要素が絶妙にブレンドされたなんとも魅力的な作品だ。

  • 2025-03-02
  • 2025-03-02

コロンビアのSSWマリア・クリスティーナ・プラタがギターと声で魅せる、南米音楽の詩情と滋味

コロンビア出身のギタリスト/シンガーのマリア・クリスティーナ・プラタ(María Cristina Plata)の新作『Casi Te Creo』は、声とギターを中心とした深みのある抒情が美しい南米音楽作品だ。全10曲のアルバムには彼女のオリジナルと中南米スペイン語圏の音楽家たちのカヴァーがバランスよく収録され、彼女自身によるギターと声を中心とした感性豊かなアコースティック音楽を堪能できる。

  • 2025-02-22
  • 2025-02-22

多文化共生のカナダ・トロントJAZZシーンを象徴する最強ピアノトリオ! Jeremy Ledbetter Trio

カナダ・トロントを拠点とするピアニスト/作曲家ジェレミー・レッドベター(Jeremy Ledbetter)率いるピアノトリオの2024年新譜『Gravity』。スナーキー・パピー(Snarky Puppy)のドラマーとして知られるラーネル・ルイス(Larnell Lewis)と、スティーヴ・コールマン(Steve Coleman)との活動で知られるベーシストのリッチ・ブラウン(Rich Brown)とのトリオで、2018年のデビュー作『Got a Light?』以来の新作だ。

  • 2025-02-21
  • 2025-02-22

驚異的なジャズ・スティールパンに胸踊る大傑作。巨匠E.パスコアールも参加するCaneFire大傑作

カナダ生まれの鍵盤奏者/作曲家のジェレミー・レッドベター(Jeremy Ledbetter)が、トリニダード・トバゴや中南米諸国での長期滞在を経てカナダに戻り結成した超絶ラテンジャズバンド、ケインファイア(CaneFire)が最高に面白い。2005年にデビュー作『Kaiso Blue』、2010年に2nd『Pandemonium』をリリースしており、いずれもクリエイティヴなエネルギーに満ちた最高の音楽だが、今回は2ndアルバムに焦点を当てて紹介したい。

  • 2025-01-05
  • 2024-12-30

イタリアのギター四重奏団、ギタリアン・カルテットが描き出す詩情豊かな中南米音楽集

イタリアを代表するクラシックギター四重奏団、ギタリアン・カルテット(Guitalian Quartet)が、中南米の音楽をテーマにした新作『Latin Landscapes』をリリース。エルネスト・ナザレー、ピシンギーニャ、アルトゥロ・マルケスといった作曲家たちの代表曲を、独創的なアレンジで演奏しており、中南米音楽やクラシック・ギターのファンにはぜひ聴いてもらいたい作品となっている。

  • 2024-12-15
  • 2024-12-15

現代最高峰の音楽家ムニール・オッスン、観客と一体となった稀有なステージを収めたライヴ録音

ブラジルの貧しいシングルマザーの家庭に生まれ、10歳からプロとして音楽活動を行い家計を支えてきたムニール・オッスン(Munir Hossn)が、ユニークなライヴ体験を提供する米国フロリダ州マイアミのブラック・ルーム・セッションズ(Black Room Sessions)での素晴らしい演奏を収録したライヴ盤『Munir Hossn & Elas (Live at the Black Room Sessions)』をリリースした。

  • 2024-10-24
  • 2024-10-19

ブラジルとラテンアメリカを結ぶ、懐かしくも新しい音楽紀行。マリ・ジャスカ 1st『Disparada』

シンガーソングライター/ギタリストとして12年のキャリアを持つブラジルのマリ・ジャスカ(Mari Jasca)が、自身初のアルバム『Disparada』をリリースした。ブラジルやラテンアメリカの伝統音楽を参照しながら、現代的なサウンドテクスチャに落とし込んだ注目すべき作品に仕上がっている。

  • 2024-09-07
  • 2024-09-07

中南米の多様なルーツに根差した革新的な混血音楽。注目の男女デュオが放つデビュー作『Mestizx』

『Mestizx』は、公私共にパートナーであるボリビア出身の女性シンガーソングライター/マルチ奏者イベリッセ・グアルディア・フェラグッティ(Ibelisse Guardia Ferragutti)と、プエルトリコにルーツを持つシカゴ出身の男性ジャズドラマー/パーカッショニスト、フランク・ロザリー(Frank Rosaly)の共同名義によるデビューアルバムだ。アルバムタイトルは中南米におけるスペイン植民地時代に性別を問わず“混血の人”を意味する言葉として使われたもので、ブラジル、ボリビア、プエルトリコという二人の多様なルーツから来る多様性と、脱植民地という重要なテーマをアーティスティックに扱っている。

  • 2024-06-07
  • 2024-06-07

NYのアフロ・キューバン・ジャズを牽引するザッカイ・カーティスが描き出す、現代の“Cubop”

米国のラテンジャズ・ピアニストのザッカイ・カーティス(Zaccai Curtis)のソロ名義での新作『Cubop Lives!』は、タイトルの通りキューバ音楽とビバップの融合した“キューバップ”を表現する心踊るジャズだ。ラテンの名曲からジャズ・スタンダード、そして彼のオリジナルまで17曲を収録。アフロ・キューバン・ジャズへの溢れんばかりの愛が今にも爆発しそうな圧巻の演奏が素晴らしい。

  • 2024-06-04
  • 2024-06-04

コロンビアのSSW、Aristi ソロ4作目は素朴な味わいのクンビア・アルバム

コロンビア・マニサレス出身のシンガーソングライター、アリスティ(Aristi)の新作『En busca del flow perdido』。クンビアを基調とし、優しく温かみのある声や素朴な楽曲構成、適度に緩いライヴ感のあるギターやパーカッション、管楽器などの演奏もなんとも言えず素敵で味わい深い。アルバムのタイトルはスペイン語で「失われた流れを求めて」の意味で、今作のルーツ回帰志向を象徴する。

  • 2024-05-28
  • 2024-05-27

アミルトン・ヂ・オランダとC4 Trio、ラテングラミー常連の2者がコラボ!南米音楽を巡る豊かな旅

ブラジルのバンドリン名手アミルトン・ヂ・オランダ(Hamilton de Holanda)と、ベネズエラのクアトロを中心とした弦楽器グループC4トリオ(C4 Trío)。ともに2022年のラテングラミー賞でノミネートされ、授賞式で席を共にした両者が初のコラボ作品『Tembla』をリリースした。一括りにラテン、ブラジル、そしてジャズが混ざり合ったアルバムというのは簡単だが、ここには驚くほどに豊かなカリブ海や南米、そしてスペインの音楽文化が凝縮されている。

  • 2024-05-25
  • 2024-05-24

現代の鍵盤神ヘスス・モリーナ、ラテンもブラジルもプログレも飲み込んだ最強新譜『Selah』

卓越した演奏技術とジャズ、ラテン、プログレなど幅広い音楽性で注目されるコロンビア出身の鍵盤奏者、ヘスス・モリーナ(Jesus Molina)の最新作『Selah』がリリースされた。アルバムのタイトルは「賞賛」や「高揚」を意味する祝福の言葉で、音楽に対する彼のスピリチュアルなアプローチを表している。

  • 2024-05-02
  • 2024-05-02

マチュー・フィゼ、プログレもラテンジャズも消化する鬼才ピアニスト 極上にエモい渾身の新作

カナダ・ケベックシティを拠点とする鍵盤奏者/作曲家マチュー・フィゼ(Mathieu Fiset)の新譜『Des Marteaux & Des Cordes』。一言でいうと、ラテン・ジャズやフュージョン、プログレッシヴ・ロックといった要素が高度に融合した、鳥肌の立つようなかっこいい音楽だ。録音にはラーネル・ルイス(Larnell Lewis)、アントワン・デュホール(Antoine Dufour)、トミー・ゴティエ(Tommy Gauthier)といった凄腕たちが揃っており、各々の細かいプレイの隅々まで最高に楽しいセッションが繰り広げられる。