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北欧ジャズ

  • 2026-09-09
  • 2026-08-25

フィンランド発、アフロポップとジャズ、Lo-Fi Popの交差点。Sumuposauttaja Band『Work and Play』

フィンランドのアンダーグラウンド・シーンで活動するマルチ奏者/作曲家サミ・アレクシ・ケイナネン(Sami Aleksi Keinänen)が、ソロプロジェクト、スムポサウッタヤ(Sumuposauttaja)名義でのアルバム『Work and Play』をリリースした。ローファイ・ポップを起点に、パーカッション多めの生バンドのアンサンブルによって西アフリカ系のリズムを孕んだ、レトロな質感のある心地よいグルーヴを生み出す優れたアルバムに仕上がっている。

  • 2026-09-06
  • 2026-09-05

あまりに美しいルネサンス・ヴァイオリンが心を動かす。アダム・バウディヒ新譜『Endless』

ポーランドを代表するジャズ・ヴァイオリニスト、アダム・バウディヒ(Adam Baldych)が、新たに結成した多国籍カルテットでの演奏を収録した新譜『Endless』をリリースした。僕はこの音楽家の音色や表現力が大好きなので、やや偏愛的なレビューになってしまうかもしれないけれど、やはり彼の音楽は最高だ。この地球上で最高に美しい音楽のひとつだと言って過言ではないと思う。

  • 2026-07-26
  • 2026-08-27

成熟した北欧ジャズの極致。“感謝”をテーマにしたソーレン・ベーベ・トリオ新作『Gratitude』

北欧を代表するピアノトリオ、ソーレン・ベーべ・トリオ(Søren Bebe Trio)による9枚目のスタジオ・アルバム『Gratitude』がリリースされた。デンマークの音楽賞にノミネートされた前作『Here Now』(2023年)で確立された、ベーシストのカスパー・テーイル(Kasper Tagel)とドラマーのクヌート・フィンスルー(Knut Finsrud)とのピアノトリオ編成で、オリジナル曲を中心に北欧らしい抑制された美学が貫かれた作品となっている。

  • 2026-05-31
  • 2026-05-28

女性ヴァイオリン奏者率いるスウェーデンの北欧ジャズ・クインテット新譜『Phoenix』

ノルウェー出身、現在はスウェーデン・ヨーテボリを拠点とする女性ヴァイオリン奏者テレーセ・リーン・エヴェンスタ(Terese Lien Evenstad)率いるクインテットの2026年作『Phoenix』は、ヴァイオリンとクラリネットをフロントに据えた珍しいクインテット編成で、北欧ジャズ特有の静謐さだけではない、生命のエネルギーを感じさせる作品だ。

  • 2026-04-29
  • 2026-04-24

「初めて長調の曲も収録」…次世代北欧ジャズの旗手ヨエル・リュサリデスの新章。『Late on Earth』

「静謐」と「強烈」、この一見相反するとも思える言葉が最も当てはまるというのが、スウェーデン出身のピアニスト、ヨエル・リュサリデス(Joel Lyssarides)への世間の評価らしい。私は彼の過去作について“まるで冬の冷たく引き締まった空気のように端正な音。クラシック音楽からの影響の強いジャズで、思慮深く紡いでいく絶妙なハーモニーは深呼吸したくなるほどの澄んだ美しさ”と評したが、なるほど、静謐なだけでなく「強烈」という言葉も言い得て妙だな、と2026年最新作『Late on Earth』を聴いて思った。

  • 2026-04-17
  • 2026-04-17

この世でもっとも美しく、憂いと悦びに満ちたカルテット Liberetto 深い抒情を湛えた新譜『Echomyr』

リリースのたびに深く美しい抒情性で極上の安らぎを与えてくれる「Liberetto」が、5年ぶりの完全なる新作で再び戻ってきてくれた。アルバムタイトルは 『Liberetto V: Echomyr』、「echo」は音が響き渡る広大な空間を表し、「myr」は古ノルド語で“荒野”を意味する造語なのだという。いつものように、親しみやすさの奥に隠された複雑な構造の美しい楽曲を、単に卓越した技巧だけではない“心の込められた”演奏で聴かせてくれる彼らの心の奥底から湧き上がる情熱と魂によって奏でられた音で、その空間は満たされている。

  • 2026-02-01
  • 2026-02-01

ウクライナ文化と北欧ジャズの抒情豊かな出会い──アンドリー・ポカズ&マグヌス・オストロム

ウクライナ出身のピアニスト/作曲家アンドリー・ポカズ(Andrii Pokaz)と、スウェーデン出身のドラマー、マグヌス・オストロム(Magnus Öström)のデュオEP『Wakeido Island』。6曲の収録曲はそれぞれに異なる物語性を持ち、ピアノとドラムスの多層的な対話が様々な景色を描き出す、じっくりと耳を傾け浸りたい作品となっている。

  • 2026-01-04
  • 2026-01-04

ノルウェー発、新世代の北欧ジャズ。リヴ・アンドレア・ハウゲ・トリオ『Døgnville』

アルバム・タイトルの『Døgnville』とは、どうやらノルウェー語に特有で翻訳が難しい言葉らしい。 「døgn」(24時間、昼夜)と「vill」(野生の、道に迷った、混乱した)という単語が組み合わさっており、文字通りには「昼夜迷子」のようなニュアンスを持つという。単に時差ぼけの場合もあれば、ノルウェー北部での白夜や極夜で時間感覚を失った状態、あるいは数日間病気で寝込んだ後の時間の混乱といったときに使われるようだ。

  • 2025-12-10
  • 2025-12-09

北欧ジャズの象徴ブッゲ・ヴェッセルトフト、世代を超えた特別な才能たちを招いた新作『Am Are』

ノルウェーの先進的なジャズを牽引するピアニスト/作曲家ブッゲ・ヴェッセルトフト(Bugge Wesseltoft)が、個性豊かなゲストを迎えて制作した2025年新譜『Am Are』。アルバムではソロからトリオまでメンバーを変えて様々な編成やサウンドを試すなど実験的な要素がありつつ、ジャズの伝統にもしっかりと根差し、聴きやすくも刺激的な作品だ。

  • 2025-09-21
  • 2025-09-15

驚くべき意思疎通によって創られた魔法のような北欧的即興。ヨーナ・トイヴァネン・トリオ『Gravity』

ヨーナ・トイヴァネン・トリオ(Joona Toivanen Trio)はフィンランドでももっとも長い活動歴を誇るトリオのひとつだ。日本でも、彼らの存在は比較的知られているだろうと思う。なにせ、彼らのデビュー作『Numurkah』(2000年)を“若干21歳のトリオ、フィンランドからの新風!”と紹介し大々的に売り出したのはあのレジェンダリーな澤野工房だったからだ。実際、彼らの音は北欧ジャズらしいリリカルさがあり、さらに若手特有の背伸びした青さもあり、非常に魅力的に映った。

  • 2025-05-06
  • 2025-05-06

北欧ジャズの生き字引、テリエ・ゲヴェルト 珠玉の未発表音源集『Then and Now』

1960年にノルウェーのオスロで生まれ、小さな港町ラルヴィクで育ったベーシスト/作曲家テリエ・ゲヴェルト(Terje Gewelt) 。10歳のときにギターを手にし弦の振動に心を奪われ、14歳でエレクトリックベースに魅了され、17歳でアコースティックベースと運命的な出会いを果たした彼はその後渡米し名門バークリー音楽大学でジャズを学び、ジャコ・パストリアスやデイヴ・ホランドに個人指導を受け、その技と感性を磨いてきた。

  • 2025-04-09
  • 2025-04-06

それは子守唄か、それとも鎮魂歌か… 北欧のトランペッター、マティアス・アイク新譜『Lullaby』

ジャズの名門・ECMレーベルより、トランペット奏者マティアス・アイク(Mathias Eick)の新作『Lullaby』がリリースされた。メンバーはカルテット編成で、ピアノのクリスチャン・ランダル(Kristjan Randalu)、ベースのオーレ・モルテン・ヴォーガン(Ole Morten Vågan)、そしてドラムスのハンス・フルベクモ(Hans Hulbækmo)で、エストニア出身のクリスチャン・ランダル以外は全員がノルウェー人という構成。アルバムは全体的にメランコリックで、深く沈むような美しさがあるが、同時に温かな情熱を秘めている。

  • 2025-03-28
  • 2025-03-28

その信念は現代ジャズをさらに進化させる。スウェーデンの革新派クインテット、Hederosgruppen

2020年にアルバム『Storstrejk』でデビューして以来、スウェーデンのジャズシーンで注目を集める5人組、ヘドロスグルッペン(Hederosgruppen)の3枚目のアルバム『Stilbrott』がリリースされた。彼らのスタイルはジャズの伝統に則りつつも独自の創造性や芸術性を追求するもので、ジャケットに描かれた“V字ジャンプの先駆者”であるスキージャンプ選手ヤン・ボークレブ(Jan Boklöv)が象徴するような自由と革新性を賛美している。

  • 2025-02-20
  • 2025-02-19

北欧の現代ジャズを象徴するシェーティル・ムレリド・トリオ 自由な表現を拡張した新譜『And Now』

革新的なスタイルで知られるノルウェーのピアニスト/作曲家、シェーティル・ムレリド(Kjetil Mulelid)のトリオによる4枚目のアルバム『And Now』がリリースされた。ピアノ、ダブルベース、ドラムスという一般的なピアノトリオ編成だが、手数の多い攻めのピアノ、ときにフリージャズを思わせる高次元の絡みを見せるアンサンブル、それでいて北欧らしい叙情性を失わない好盤となっている。