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ポップス

  • 2023-03-09
  • 2023-03-05

アンゴラの歌姫ヨラ・セメード、すべてのキゾンバ愛好家に捧げる新作『Sou Kizombeira』

アンゴラの歌手、ヨラ・セメード(Yola Semedo)の7枚目となる新作『Sou Kizombeira』がリリースされている。今作はアンゴラ生まれのダンス音楽であるキゾンバをベースとしたダンサブルでパンチの効いたサウンドが特長的で、レゲエやソウル、R&Bといった要素も感じさせ、アンゴラの歌姫の貫禄を感じさせるアルバムに仕上がっている。

  • 2023-03-03
  • 2023-03-01

女性5人組ジャズバンドQueenta Ensemble、ヘブライのスタンダードを軽やかに歌う

イスラエルの5人の女性ミュージシャンによるジャズバンド、Queenta Ensemble のデビュー作『Shoshana』。“ヘブライ音楽の女王”と称えられる歌手ショシャナ・ダマリ(Shoshana Damari, 1923 - 2006)が歌った歌曲の再発見をテーマとしたカヴァー曲集で、可憐な声をもつヴォーカリスト/編曲家のチェン・レヴィ(Chen Levy)を中心に、ピアノ、フルート、ベース、ドラムスのバンドを従えイスラエルの音楽文化を象徴するかつての名曲を鮮やかに現代に蘇らせている。

  • 2023-02-18
  • 2024-01-04

トロピカルハウスの貴公子・Kygoが放つ最新作『Thrill of the Chase』に見るダンスミュージックの現在地。

レイドバックしたシンセサイザーがゆったりとバックに流れる別名「癒し系EDM」であるトロピカルハウスは、オーストラリア出身のアーティスト、トーマス・ジャック(Thomas Jack)が生みの親と言われており、まさに南国感溢れるサウンドを特徴としたハウスの総称である。今回発表された最新作『Thrill of the Chase』は今までの作品通り、個性豊かなボーカリストを迎えたアルバムであるが、これまでの作品に比べ、より肩の力の抜けたアルバムとなっている。

  • 2023-02-14
  • 2023-02-13

永遠に続くカルナヴァルの高揚感。レトロ・サイケなブラジル音楽を体現するSSWジョアン・セルヴァ

レトロなブラジリアン・ポップを表現するシンガーソングライター、ジョアン・セルヴァ(João Selva)の2ndアルバム『Passarinho』がリリースされた。2021年のデビュー作『Navegar』の流れを汲んだヴィンテージ感満載のサウンドが逆に新鮮な、多くのブラジル音楽ファンに届いてほしい作品だ。

  • 2023-02-13
  • 2023-02-13

コンゴにルーツを持つ混血女性SSWレベッカ・ンボングー率いるKolinga、大躍進の2nd『Legacy』

ヴォーカル/作詞作曲のレベッカ・ンボングー(Rébecca M'Boungou)とギターのアーナウ・エスター(Arnaud Estor)のデュオ・ユニットとして2018年にデビュー作『Earthquake』をリリースしたコリンガ(Kolinga)が、6人編成となってリリースした2ndアルバム『Legacy』。この編成強化により、ギターとヴォーカルを中心にサウンドが組み立てられていた前作から大幅に色彩感がアップ。当初より高い評価を得ていたレベッカの歌声の魅力はそのままに、より訴求力の高い作品に仕上がった。

  • 2023-02-10
  • 2024-03-20

アフロ・ブラジル音楽の歴史を体現する男女デュオÀVUÀ、最高のデビュー作『Percorrer Em Nós』

アコースティック・ギターとアフロ・ブラジルのパーカッション、そして適度なエレクトロニック・サウンドに溶け込む極上のハーモニー。女性シンガー/作曲家ブルーナ・ブラッキ(Bruna Black)と、男性ギタリスト/シンガー/作曲家のジョタ・ペー(Jota.pê)によって結成されたデュオ、ÀVUÀのデビュー作 『Percorrer Em Nós』は、今もっともモダンで素晴らしいブラジル音楽のひとつだと断言できる。

  • 2023-01-26
  • 2023-01-25

葡歌手と伯ギタリストによるユニットOrfélia、ルゾフォニアの伝統を革新的に融和するデビュー作

ポルトガル出身のシンガー/鍵盤奏者アンテラ(Antera)とブラジル出身のギター奏者フェリペ・マットス(Filipe Mattos)がベルリンで出会い誕生したユニット、オルフェリア(Orfélia)初のフルレンス・アルバム『Tudo o Que Move』。両国の伝統的なリズムとサイケデリアが混ざり合い、絶妙な浮遊感のある夢心地のサウンドが展開される。

  • 2022-12-21
  • 2022-12-21

クセになる洗練されたグルーヴ。アンゴラの歌姫ヨラ・セメードの最高傑作『Filho Meu』

今回紹介するのはアンゴラの女性歌手/作曲家、ヨラ・セメード(Yola Semedo)の2014年リリースの作品『Filho Meu』。これがとんでもない傑作で、今でも時々聴き返している。特に大好きなのがラストの(14)「Você Me Abana」という曲だ。この曲は本当にこれまでに聴いた全音楽の中でも上位にランクする名曲で、偶然にこの曲に出会ってから何度も何度もリピートしていた。

  • 2022-11-30
  • 2022-11-29

ラテングラミー新人賞受賞、シルバナ・エストラーダのあまりに美しく枯れたデビュー作

チャーリー・ハンター(Charlie Hunter)との共演で知られるメキシコのフォーク・ポップ・シーンの新星シルバナ・エストラーダ(Silvana Estrada)のソロ・デビュー作 『Marchita』は、近年ますます注目されるラテン音楽の中でも際立って退廃的な美しさを湛え、それがゆえに親近感を抱いてしまう傑作だ。

  • 2022-11-22
  • 2023-09-17

ウルグアイ初のアカデミー賞受賞SSWホルヘ・ドレクスレル、多様な個性とコラボした新作『Tinta y Tiempo』

アカデミー歌曲賞の受賞など、ウルグアイを代表するシンガーソングライターであるホルヘ・ドレクスレル(Jorge Drexler)が新作『Tinta y Tiempo』をリリースした。ウルグアイ、スペイン、イスラエル、パナマからゲストを迎え、彼らしい柔らかな歌と巧みなソングライティング、そして現代的なサウンドで2022年を代表すると言っても過言ではない素晴らしいアルバムに仕上がっている。

  • 2022-11-16
  • 2022-11-14

ルーツ・ミュージックへの探求が糧となったナタリア・ラフォルカデ新作『De Todas las Flores』

ルーツ・ミュージックを自身の表現に取り入れ、近年激良作を連発しているメキシコのシンガーソングライター、ナタリア・ラフォルカデ(Natalia Lafourcade)の新作『De Todas las Flores』は、ほぼ自作曲で固められ、これまた彼女のディスコグラフィを代表しそうな素晴らしい作品だった。

  • 2022-11-10
  • 2022-11-10

カタルーニャのSSWパウ・バルベー、ブラジル音楽やギターポップを融合した個性的なポップス『: )』

スペイン・バルセロナの人気シンガーソングライター/プロデューサー、パウ・バルベー(Pau Vallvé)の2022年新作『: )』。肯定的な感情を表す顔文字のタイトルに象徴された今作は“パンデミック後と崩壊前の快楽主義を蒸留する”をテーマとし、ブラジル音楽に由来するサウダージの感覚と甘酸っぱいティーンエイジャー風のロック/ポップス、そして人生を達観した風なシニカルな大人の感覚も融合した、コンプレックス(感情の複合)を煮詰めたような怪作となっている。

  • 2022-11-08
  • 2022-11-08

イスラエルの国民的SSWの血を継ぐ新世代ノアム・クラインシュタイン、デビュー!

イスラエルのシンガーソングライター、ノアム・クラインシュタイン(Noam Kleinstein)のデビューアルバム『Noam Kleinstein』。父親譲りの洗練されたソングライティング、母親譲りの表現力、若者らしい瑞々しく希望に満ちた感性と、それと同様に若者らしい不安な気分とアンニュイな雰囲気を兼ね備えた不思議なフィーリングで、新たな才能の登場を強く印象付ける傑作となっている。