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ポップス

  • 2022-11-10
  • 2022-11-10

カタルーニャのSSWパウ・バルベー、ブラジル音楽やギターポップを融合した個性的なポップス『: )』

スペイン・バルセロナの人気シンガーソングライター/プロデューサー、パウ・バルベー(Pau Vallvé)の2022年新作『: )』。肯定的な感情を表す顔文字のタイトルに象徴された今作は“パンデミック後と崩壊前の快楽主義を蒸留する”をテーマとし、ブラジル音楽に由来するサウダージの感覚と甘酸っぱいティーンエイジャー風のロック/ポップス、そして人生を達観した風なシニカルな大人の感覚も融合した、コンプレックス(感情の複合)を煮詰めたような怪作となっている。

  • 2022-11-08
  • 2022-11-08

イスラエルの国民的SSWの血を継ぐ新世代ノアム・クラインシュタイン、デビュー!

イスラエルのシンガーソングライター、ノアム・クラインシュタイン(Noam Kleinstein)のデビューアルバム『Noam Kleinstein』。父親譲りの洗練されたソングライティング、母親譲りの表現力、若者らしい瑞々しく希望に満ちた感性と、それと同様に若者らしい不安な気分とアンニュイな雰囲気を兼ね備えた不思議なフィーリングで、新たな才能の登場を強く印象付ける傑作となっている。

  • 2022-11-07
  • 2022-11-06

バルセロナ・ミクスチャーのカリスマMacaco、ラテン圏の多様なゲストを迎えた新譜

バルセロナ・ミクスチャーのカリスマ、マカコ(Macaco) の2022年新作『Vuélame el Corazón』は、スペイン語文化圏の多様なミュージシャンをゲストに迎え、彼の魅力である雑多な音楽性はそのままに、年の功からか、以前と比べると洗練され少し落ち着いた印象のある音楽を聴かせてくれる。15曲すべてに抗えない魅力と深みがあり、近年のバルセロナの音楽シーンの中でも随一の作品と言っても過言ではないように思う。

  • 2022-10-27
  • 2022-10-26

トゥリッパ・ルイス、アナログテープで再現するブラジリアン・サイケポップ要注目作

米英のロックやファンク、ポップスと、ブラジルの伝統的な音楽文化を巧みに融合させたその豊かな音楽性をして“Pop Florestal(森のポップ)”を体現するブラジル・サンパウロのSSW、トゥリッパ・ルイス(Tulipa Ruiz)の2022年新譜『Habilidades Extraordinárias』。トロピカリアのサイケロックやノルデスチ音楽、ファンキ・カリオカなど多様なブラジルの音楽を飲み込んだ好盤だ。

  • 2022-10-16
  • 2023-08-21

社会を深く憂う現代のフラワーチャイルド。ノルデスチの人気SSWシコ・セーザル新譜『Vestido de Amor』

ブラジルの北東部音楽を代表するシンガーソングライター(SSW)、シコ・セーザル(Chico César)が新作『Vestido de Amor』をリリースした。2019年の『O Amor É um Ato Revolucionário』以来となる10枚目のアルバムで、今作も随所に北東部(ノルデスチ)音楽に由来するリズムと熱情に溢れ、文化を愛するアーティストらしい精神性に満ちたブラジリアン・ロックの傑作に仕上がっている。

  • 2022-09-27
  • 2022-09-26

インドネシアの4組の人気アーティストが集結!超ハイセンスな『Bermain Rintik Di Musim Hujan』

インドネシアの4組の人気ミュージシャン──2009年結成の4人組ハイファイ(HIVI!)、ギタリストのジェラルド・シタモラン(Gerald Situmorang)、女性SSWイフィー・アリッサ(Ify Alyssa)、そしてジャズピアニストのスリ・ハヌラガ(Sri Hanuraga)による豪華コラボレーションが実現したアルバム『Bermain Rintik Di Musim Hujan』。

  • 2022-09-24
  • 2022-09-23

ボルネオ島の伝統文化を現代に伝えるSSW/サペ奏者アレナ・ムラン、洗練された2nd『Sky Songs』

マレーシア・サラワク州クチン出身のSSW/サペ奏者のアレナ・ムラン(Alena Murang)が台湾のレーベルから新譜『Sky Songs』をリリースした。彼女のルーツであるボルネオ島の先住民族ケラビット族らの伝統にインスパイアされた物語をサペの温かな音色に乗せて歌う、聴きやすく素晴らしい作品に仕上がっている。

  • 2022-09-18
  • 2023-02-09

イスラエルのスーパーバンド Pinhas and Sons、人気SSWアロン・エデルとの共演音源をリリース

イスラエルのバンド、ピンハス・アンド・サンズ(Pinhas & Sons)が、同国を代表するシンガーソングライター、アロン・エデル(Alon Eder)と共演したライヴ音源とヴィデオをリリースした。これは2022年7月に行われた共演ライヴの模様を収録したもので、今回はアロン・エデルの代表曲3曲が公開されている。確かな音楽的素養と類稀なポップセンスを持つこの2組の共演は、ハイブリッドな現行イスラエル音楽シーンでも新たなマイルストーンとなるだろう。

  • 2022-08-28
  • 2022-08-28

驚異的な表現力で魅せるカタルーニャの新たな才媛マガリ・サレ、大注目の2nd『Esponja』

カタルーニャのSSW/ピアニスト/フルート奏者マガリ・サレ(Magalí Sare)の新作『Esponja』は、彼女の柔らかな声質から来る優しい音触りと、こだわりの散りばめられたアコースティック主体のサウンド、ラテン気質の明るさと同時に洗練された上品さがバランスよくミックスされた注目すべき作品だ。

  • 2022-08-20
  • 2022-08-20

日本が誇る次世代アコーディオン奏者・中山うりのタイムレスな名盤・デビュー作2007年『DoReMiFa』

音楽はカルチャーであり、エンターテインメントである。そうである以上、流行や時代性が反映されるのは必然であるともいえる。一方、音楽は芸術でもある。ベートーベンやバッハ、シューベルトといったクラシック音楽はそれこそ何百年という単位で人々に愛され続けており、素晴らしい芸術はタイムレスに生き続ける。今なお数多くの作品を残し続ける中山うりの作品の中でもデビュー作を今回取り上げた理由。それこそまさに時代に流されず、色褪せることのない普遍的な「音」が記録された盤。それが今回紹介する中山うりのデビュー作『DoReMiFa』なのである。

  • 2022-08-16
  • 2022-08-16

イスラエルSSWの系譜に新たな才能。シェリー・アーチャー、珠玉のデビュー作『Lovebird』

優れた才能を輩出し続けるテルアビブの音楽シーンから、また若く素晴らしいシンガーソングライターが現れた。シェリー・アーチャー(Shelly Archer)のデビューEP『Lovebird』は、ジョニ・ミッチェル(Joni Mitchell)からフィービー・ブリジャーズ(Phoebe Bridgers)に連なる系譜を継ぐ新たな才能の出現を高らかに宣言する。

  • 2022-07-10
  • 2022-07-09

シンプルながら深く心に刺さるインディ・フォーク。ナッシュビルのSSWエリン・レイ新譜

アメリカーナ・ミュージック・アワードの新人部門にノミネートされるなど大いに注目されたソロデビュー作『Putting On Airs』から3年、アメリカ合衆国テネシー州ナッシュビルのSSWエリン・レイ(Erin Rae)の待望の2ndアルバム『Lighten Up』がリリースされた。ギターを手に歌い、素朴なアメリカーナを体現する彼女の音楽は今回も純朴で親しみやすく、多くの人の心に響くことだろう。

  • 2022-05-07
  • 2022-05-07

天性のセンスを持ったイスラエルのSSW、アヴィヴ・ペックのデビューEP

イスラエルのSSW、アヴィヴ・ペック(Aviv Peck, ヘブライ語:אביב פק)が待望のデビューEP『אוסף ראשון』をリリースした。天性のメロディセンスと歌声を持ち、スタヴ・ゴールドベルグ(Stav Goldberg)の名盤『Songs』でもその可憐なヴォーカルを披露していた彼女の歌を堪能できる素敵な作品だ。