TAG

ヴォーカル

  • 2026-01-03
  • 2026-01-03

ファンキ・カリオカをポップにし、お茶の間にも広めた伝説的デュオ「クラウヂーニョ&ブシェッシャ」の全ディスコグラフィー|『僕らの夢〜ファンキ・カリオカ〜』をブラジル映画祭+ で日本初公開

 クラウジーニョ&ブシェッシャ(Claudinho & Buchecha)のファンキ・カリオカは、Funk Melody(ファンキ・メロディ)、またはFunk Melodia(ファンキ・メロヂア)と呼ばれた。一言で言えば、過激さを抑え、ロマンチックな歌詞と歌えるメロディを重視した、ポップなファンキだった。ファンキは、当初、社会への怒りや過激な性を歌うものが多く、中産階級やメディアからは「危険な音楽」として敬遠されていた。
 しかし、DJマルボロらがプロデュースを行い、より親しみやすい「ファンク・メロディ」が登場すると状況が一変した。クラウジーニョ&ブシェッシャはその変化の中心にいた。ファンキ・カリオカのビートに乗って「愛」を歌うことで、ファンクは危険なものから「ブラジル全土のポップミュージック」へと進化した。これにより、ファンクはラジオやテレビで放送される市民権を得た。そんな歴史的背景を踏まえながら、クラウジーニョ&ブシェッシャの全ディスコグラフィー(オリジナルアルバム5作とライヴアルバム1作)と代表曲を紹介したい。

  • 2026-01-01
  • 2025-12-31

ジルベルト・ジルの孫娘フロール・ジル16歳、極上のデビュー作『Cinema Love』が素晴らしい

2009年生まれの16歳。ブラジル・リオデジャネイロ出身のシンガーソングライター、フロール・ジル(Flor Gil)のデビュー作『Cinema Love』が素晴らしい。囁くような声で、日常の中にある感情の繊細な揺れを独自の視点で情緒豊かに歌うさまは、すでに成熟の域に達している。彼女の内面にある憧れや愛情といった感情を深く探求したいという欲求が、映画的な手法で表現されたものが今作の本質だ。

  • 2025-12-31
  • 2026-01-02

マリア・ベターニア|バイオグラフィー|ブラジルの運命を詠う「女王蜂」 — その全生涯、芸術、そして神秘

「ブラジル映画祭+ 」で上映される『2月のために~マリア・ベターニアとマンゲイラ〜』。本作は「単なる歌手の伝記ではなく、ブラジルの文化的・精神的な深層を探る旅となる」であるが、マリア・ベターニアがブラジルにおいて如何に評価されてきた歌手かという点は、大きく省略されている。しかしながら、日本での上映となるとマリア・ベターニアのことをあまり知らない方にも観て欲しいし、映画への理解を深めて欲しい。本稿では、彼女のキャリアそのものを紹介する。

  • 2025-12-26
  • 2025-12-26

コロンビアとフランスの男女混成7人組、Pulciperla 衝撃的なミクスチャーで魅せる1st『Tatekieto』

コロンビアのボゴタを拠点とするパワフルな女性3人組ラ・ペルラ(La Perla)と、フランスのトゥールーズを拠点とするファンキーなジャズロック・カルテットのプルシネルラ(Pulcinella)がコロンビアで出会い、混成した7人組プルシペルラ(Pulciperla)のデビュー作『Tatekieto』が衝撃的な楽しさだ。ジャズ、ラテン、レゲエ、ロマ音楽、ヒップホップ、エレクトロニックなどなど様々な音楽要素がごちゃ混ぜになり彼らの世界観を作る。それはまるで極彩色のパーティーのように、終わりがなく、ずっとずっと気持ちいい音が続く。個人的には2000年代のバルセロナ・ミクスチャーの活況に満ちたシーンを彷彿させるサウンドに心が躍った!

  • 2025-12-25
  • 2025-12-25

オーガニック・エレクトロニカの魅力を凝縮。Hajna & Mina Shankha デビューEP『Fluyen Colores』

過去リリースされた「Muocalé」が著名なコンピレーション・アルバム『Buddha-Bar』に収録されたり、「Aspetterò」がジョルジオ・アルマーニのCMに起用されたりと静かに注目を浴びるフランスを拠点とする男女デュオ、ハジュナ&ミナ・シャンカ(Hajna & Mina Shankha)のデビューEP『Fluyen Colores』がリリースされた。オーガニック・エレクトロニカを基調とした魅力的なサウンドで、瞑想的なリスニング体験を生み出す優れた作品だ。

  • 2025-12-21
  • 2025-12-21

歌うヨガ実践者Manizeh、静かに心を浄化させる素晴らしいデビューアルバム。ガナーヴィヤ参加

パキスタンに生まれ、ヨーロッパやアメリカに住んだあとロンドンでヨガインストラクターとして活動するマニーゼ(Manizeh)のデビューアルバム『Mahku』が素晴らしい。共同プロデューサー/ゲストシンガーとして、オバマ元大統領が「2025年のお気に入り」にも挙げたガナーヴィヤ(Ganavya)が全面的に参加。マニーゼ自身が弾くハルモニウムと歌を中心に、ハープやダブルベース、ピアノなどの楽器で優しく彩られた楽曲群は深く感動的で、ヨガの実践者であり指導者である彼女の哲学と精神を余すところなく反映している。聴けば聴くほどその世界に没入し、心が浄化される感覚にさせられる──。

  • 2025-12-18
  • 2025-12-18

百年の時を超えるレトロモダンな王道エレクトロ・スウィング。Tape Five新作『Fizzy Far Niente』

ドイツ出身の作曲家/音楽プロデューサー、マーティン・スタートハウゼン(Martin Strathausen)を中心とするプロジェクト、テイプ・ファイヴ(Tape Five) の2025年新譜『Fizzy Far Niente』。まさにエレクトロ・スウィングの王道を行く、100年の時を超えるレトロモダンなサウンドは今もなお、かっこいい。

  • 2025-12-14
  • 2026-03-30

現代アナトリアン・サイケロックを牽引するクルド系SSWメラル・ポラトが魂で歌う“抑圧からの解放”

クルドをルーツにもつオランダのシンガーソングライター、メラル・ポラト(Meral Polat)の2025年作 『Meydan』は、彼女のルーツであるアナトリアとメソポタミアの音楽や、イスラム教の少数派であるアレヴィー派の文化的背景を基調に、トルコのサイケデリック・ロックやクルドのソウル、プロテスト・ブルース、ワールド・フュージョンを融合させた強烈な音楽体験を約束するアルバムだ。

  • 2025-12-08
  • 2025-12-07

スコットランドの正統派ジャズシンガー、ルイーズ・ドッズが全曲オリジナルで贈る新譜

スコットランド出身のシンガー/作曲家ルイーズ・ドッズ(Louise Dodds)の新作『All I Know』。 アヴィシャイ・コーエン・トリオに参加したことで世界的に知られるアゼルバイジャン出身ピアニストのエルチン・シリノフ(Elchin Shirinov)とのデュオで発表した前作『Two Hours After Midnight』はスコットランドの美しい歌曲集だったが、今作は全曲を彼女のオリジナルでまとめ上げ、ジャズ・ヴォーカリストとしてオリジナリティを追求した作品となっている。

  • 2025-12-06
  • 2025-12-06

ブラジル音楽革新の象徴・レニーニ、10年ぶりの新作『EITA』──“聴く映画であり、観るレコード”

レニーニが戻ってきた! 切れ味抜群のガットギターと、スウィングしながらラップするように歌う独特のヴォーカル。ブラジル北東部(ノルデスチ)の伝統音楽とロックを融合させた革新的なスタイルは、今も変わらない。1990年代にイノベーターとしての彼を発見した人も、そうでない人も、この独創的な音楽にぜひ触れてみてほしい。

  • 2025-12-03
  • 2025-12-03

エチオジャズを軸に多文化共生サウンドデザインで魅せる。Black Jesus eXperience『Time Telling』

エチオピア出身で、難民生活を経てオーストラリアに移住したシンガー、エヌシュ・タイエ(Enushu Taye)が率いる10人以上のミュージシャンや詩人から成るジャズ・コレクティヴ、ブラック・ジーザス・エクスペリエンス(Black Jesus eXperience)の新作アルバム『Time Telling』は、エチオピアの伝統音楽にジャズやファンク、ヒップホップを融合した濃密な音楽体験を約束する作品だ。

  • 2025-11-28
  • 2025-11-26

総勢300人以上の音楽家が参加。カルナティック・プログレの雄、Agamが放つ伝統と革新の極致

インド・カルナータカ州都ベンガルールを拠点とするカルナティック・プログレッシヴ・ロックバンド、アガム(Agam)が8年の制作期間を要し完成させた3rdアルバム『Arrival of The Ethereal』。長い歴史を持つインド古典音楽と近代的なプログレの絶妙なブレンドは斬新で、その高い完成度も相まって新鮮な驚きに満ちた壮大な音楽世界が展開される優れたアルバムだ。

  • 2025-11-26
  • 2025-11-25

まるで楽園のようなアルゼンチン音楽。フェデリコ・アレセイゴル新作『.ar』

アルゼンチンの現代ジャズ/ネオフォルクローレを代表するSSW/ピアニスト、フェデリコ・アレセイゴル(Federico Arreseygor)の2025年作『.ar』の美しさは、格別だ。ジャズとアルゼンチン・フォルクローレが高度に混ざり合ったリオプラテンセの独特な音楽作品群の中でも一際輝く、素晴らしい作品だ。

  • 2025-11-24
  • 2025-11-24

ストーリーテラーとしての魅力溢れるジャマイカ出身ベーシスト/SSWラッセル・ホール新譜

ジャマイカ出身のベーシスト/シンガーソングライター、ラッセル・ホール(Russell Hall)の3rdアルバム『Dragon of the South』。ジャズを基調としながらフォーク、アフリカ音楽、カリブ音楽などジャンルを超えてサウンドパレットを拡張した作品で、ベース演奏だけでなくヴォーカリストとしての彼の求道者的な魂を感じさせてくれる。