“神童”ジャズピアニストの新譜はまさかのネオソウル
1994年生まれ。14歳でデビューアルバム『Memories』をリリースし、神童と持て囃されたジャズピアニスト、トメル・バール(Tomer Bar)の新譜は、まさかのネオソウルだった。
トメル・バールはイスラエル生まれのピアニスト。
1994年生まれながら、すでに5枚のアルバムをリリースしている所謂“天才”だ。
美しいオリジナル曲が収録され話題になった2008年のアルバム『Reflections』から10年。
新作『לדעת הכל』(←読めない)は、まさかのネオソウルだった。
今作でトメル・バールは控えめなジャズピアノを弾いているものの、メインは彼の“歌”になっている。
しかし、収録された楽曲のクオリティは驚くほど高く、ヘブライ語のため意味はまったく不明なものの、意味が分からないことを気にしない方であれば一生モノの愛聴盤に推薦できるほど素晴らしい完成度になっている。
アルバムは全編ヘブライ語表記で、あまり世界市場をターゲットにしていないと思われるが、怖気づくことなくぜひ聴いてみてほしい。
私は特にPOPでキャッチーな(7)「הצלחה (feat. רביד כחלני & אריק אבר)」(←読めない)や、めっちゃオシャレなコーラスの(9)「בסדר」(←読めない)、(1)「השטן (feat. אריק אבר)」(←読めない)あたりが凄く気に入っている。
イスラエルジャズの中でも特に奇異なこのアルバム。大推薦の一枚だ。