驚くべき唯一無二の歌唱力、カタルーニャの才媛ジェンマ・ウメット

Gemma Humet - Encara

圧倒的な「声と歌」の魅力

2015年にファーストアルバム『Si Canto Enrere』でデビューを飾ったスペイン・カタルーニャの歌手/ピアニスト/作曲家ジェンマ・ウメット(Gemma Humet, 1988年生まれ)。
カタルーニャで活躍した歌手/作曲家ジョアン・バプティスタ・ウメット(Joan Baptista Humet)の姪でもある彼女は、20代前半の頃からカタルーニャを代表するミュージシャンの作品に歌手としてフィーチュアされ注目を浴びてきた。

ジェンマ・ウメットの最大の特長は、その驚くべき歌唱力だ。
透明で柔らかな声質、スペインの伝統的な独特の節回し、よく伸びる高音が歌手としての魅力を最大限のものにしている。

今回取り上げる2017年の2ndアルバム『Encara』は、現代のカタルーニャに生まれ育ったシンガーソングライターとしての等身大のジェンマ・ウメットを解き放った傑作になっている。

1stアルバムも良作だったが、特にギターのパウ・フィゲレス(Pau Figueres)の巧すぎるプレイが目立ち、ジェンマ・ウメットの声のみにフォーカスして聴くということが難しかった。
その一方でこの2ndアルバムではピアノや木管楽器、パーカッションといった控えめながら緻密なアレンジが施されたバックの演奏も、彼女の「声」を引き立てる意味で素晴らしくマッチしている。

そして1stアルバムに比べ、全体的に影の深い、ストーリーを感じさせる楽曲が並び、ジェンマ・ウメットの広い音域とも相まってより印象深い音楽体験ができる。

『Encara』はアルバムを通して他のヴォーカリストにはない唯一無二の個性が感じられ、長く聴き込める作品になることは間違いないと思う。
信じられないほどの圧倒的な歌唱力を存分に発揮しているという点で、(4)「Les veus del mar」、(5)「Barcelona, març de 1938」、(9)「L’home llop」などをおすすめしたい。

2ndアルバム『Encara』の冒頭を飾る曲。
ピアノや木管楽器等、アコースティック楽器の温かい音に支えられ、ゆったりした美声に浸れる。
『Encara』の2曲目。
サビで聴かせるジェンマ・ウメットの高音には不思議な魅力がある。
デビューアルバム『Si canto enrere』からシングルカットされた楽曲のMV。
ジェンマの音楽学校時代の学友でもあるスペインの若手注目ギタリスト、パウ・フィゲレスによるフラメンコギターの音も心地いい。
Gemma Humet - Encara
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