アンドレ・メマーリ全面参加。詩情溢れるレアンドロ・マイアの大傑作

Leandro Maia - Suite Maria Bonita

詩人レアンドロ・マイアと、天才ピアニストによる快作

ブラジルのSSW、レアンドロ・マイア(Leandro Maia)と、現代最高のピアニスト、アンドレ・メマーリの共演作『Suíte Maria Bonita e Outras Veredas』は、ブラジル音楽の近年のベストのひとつと思っている。両名の共作がほとんどを占めるアルバムは、とにかく全編を通じて知的で美しい音楽・演奏に満ちている。優しさと詩情が滲み出るレアンドロ・マイアの歌も、アンドレ・メマーリによる巧みな編曲やピアノ演奏も、すべてが最高オブ最高である。

レアンドロ・マイアはブラジル南部リオグランヂ・ド・スールの州都ポルト・アレグレ出身。2007年のアンドレ・メマーリの2枚組大作『Canteiro』にも数曲で参加。音楽学校の講師などを勤めながら、2009年の初のソロ作『Palavreio』で新感覚のフォーキーな作風が注目された稀有な音楽家だ。

アルバム『Suíte Maria Bonita e Outras Veredas』は、1200もの候補作の中から音楽賞を勝ち取った10分を超える大作(1)「Suíte Maria Bonita」で幕を開ける。

極上のチェンバーポップ大作「Suíte Maria Bonita」のライヴ映像。
ピアノ、ベース、フルート、そしてギターという最小限の編成で聴かせる耽美の10分間。

ポルトガル語が分からなくとも、その壮大な世界観は肌で感じられる5拍子の名曲(2)「Historias de Nos Dois(私たち二人の物語)」はこのアルバムの真骨頂だ。

(2)「Historias de Nos Dois」のライヴ映像。
Marcelo Delacroix との二重唱。

メマーリの『Canteiro』にも収録された楽曲の再演である(6)「Luzidia」、(8)「Valsa Russa」、(14)「Sal Saudade」も。

後半にはポルトガルの鬼才歌手マリア・ジョアン(Maria João Monteiro Grancha)を迎え(11)「Waterfall」、そして同曲のリプライズ(15)「Praieira」が演奏される。そして、これら2曲で披露されるマリア・ジョアンの圧巻の怪演はこのアルバムを伝説たらしめるものにしている。

Leandro Maia - Suite Maria Bonita
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