“空間”をつくるイスラエル最重要ドラマーが変則トリオで挑む現代JAZZ

Ziv Ravitz - No Man is an Island

現代JAZZ最重要ドラマー、ジヴ・ラヴィッツ

イスラエル出身、現在はニューヨークで活躍するドラマー、ジヴ・ラヴィッツ(Ziv Ravitz)がニア・フィルダー(Nir Felder, g)、ウィル・ヴィンソン(Will Vinson, sax)との変則トリオで録音した2019年作『No Man is an Island』

ゲストとしてイスラエル出身のギラッド・ヘクセルマン(Gilad Hekselman, g)、チリ出身のカミラ・メサ(Camila Meza, vo)、そしてフランス出身のヴァンサン・ペラニ(Vincent Peirani, accordion)といった今ニューヨークジャズ界隈で活躍するミュージシャンたちが参加している。

ジヴ・ラヴィッツは1976年生まれ。9歳でドラムを初め、13歳の頃には既にプロとして活動を開始していたというから驚きだ。ベエルシェバやテルアビブのクラブなどでロック、ジャズ、前衛音楽など演奏の経験を重ね、2000年に渡米しバークリー音楽院でジャズを学んだ。その後の活躍は同郷イスラエルのアヴィシャイ・コーエン(Avishai Cohen)、シャイ・マエストロ(Shai Maestro)、ヤロン・ヘルマン(Yaron Herman)といった名プレイヤーたちの多くの作品で知られている通りだ。

ドラマーのリーダー作と聞くと、リズムやグルーヴを前面に押し出した作品かと勝手な想像をしてしまうが、本作は全くそのような類のものではなく、サックスやギターとの対話を重視し、むしろドラムスは内省的で歌心を感じさせる。ジャズやロック、アヴァンギャルドといったジャンルを行き来しつつ、繊細な“空間を創り出す”ドラミングを随所で聴かせてくれる。

アルバムのタイトル曲でもある(3)「No Man Is an Island」のMV。
ポエトリーリーディングも交えた現代的な音作りが印象的。
「Peire Aussane」のライヴ演奏動画。
Ziv Ravitz - No Man is an Island
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