ギター音楽を愛する全ての人へ。ブラジル最高峰ギタリストがソロで挑むジスモンチ曲集

Daniel Murray - Universo Musical de Egberto Gismonti

名手ダニエル・マレーが挑む芸術的なジスモンチ楽曲集

ブラジルのギタリストにとって(ブラジルに限らないが)、ジスモンチの楽曲集をつくるというのは一つの大きな目標であり、挑戦であり、この上ない喜びなのだろうと思う。それは1981年生まれで、そろそろ“若手”から脱皮し中堅の域に達したギタリスト、ダニエル・マレー(Daniel Murray)にとってもそうだ。

ダニエル・マレー(Daniel Murray)がジスモンチ主宰のレーベル、CARMOからリリースした鬼才作曲家エグベルト・ジスモンチ(Egberto Gismonti)楽曲集である『Universo Musical de Egberto Gismonti』は、ギタリストとして歩んだ半生の全てをぶつけた、渾身の傑作だ。自らの指先の肉と爪のみで表現し得る最高のギター音楽がここにはある。

アルバムは全曲ジスモンチの名曲ばかりだから、ジスモンチを知っている人は好きな曲から聴けばいい。知らない人にはまずジスモンチの美メロ極まる(3)「Sete Anéis」か、ギターのテクニック重視なら(6)「Frevo」あたりから聴いてみてもらいたい。

(3)「Sete Anéis」。タイトルは「7つの指輪」の意味。
自在にガットギターを操る圧巻の表現力に惹き込まれる。

ダニエル・マレーはこれまでに10枚以上のフルアルバムをリリースしているが、その約半数はソロギター作。2011年のアントニオ・カルロス・ジョビン楽曲集『Tom Jobim para Violão Solo』や、クラシックギターの新しい表現を目指した2015年の『Universos em Expansão…』など、ジャズ、クラシックそしてブラジル音楽のギター表現において類稀な才能を発揮し、多くの賞を受賞するなど活躍してきた。彼のキャリアの中でジスモンチの楽曲は中核を成しており、過去の複数のアルバムでもジスモンチ楽曲の演奏を聴くことができる。
ジスモンチのレーベルであるCARMOから、ジスモンチのプロデュースでリリースした今作は、ダニエル・マレーのギタリストとしての集大成であり、おそらくは今後さらに大きく飛躍する上で最重要となるアルバムだ。

ジスモンチ屈指の難曲(8)「Baião Malandro」。
(13)「Palhaço」はピエロの意味。
11弦ギターで奏でられる小さなオーケストラのような豊かなサウンド。

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