いつまでも聴いていたい、素朴で美しいカントリージャズ 『Across the Sea』

Kevin Hays & Chiara Izzi - Across the Sea

米ピアニストと伊ヴォーカリストによる素朴なカントリー・ジャズ作品

『Across the Sea』は米国のベテランピアニスト、ケヴィン・ヘイズ(Kevin Hays)とイタリア出身の女性歌手キアラ・イッツィ(Chiara Izzi)の双頭名義による極上のヴォーカル作品。キース・ジャレットの名盤『My Song』をも彷彿とさせる素朴でフォーキーなピアノジャズに、キアラ・イッツィの美声が絡み、いつまでも聴いていたい心地良いサウンドが広がる。ヴォーカル・アルバムとしてはノラ・ジョーンズの世界観にも近いかもしれない。

ゲストにクロマチックハーモニカの名手グレゴア・マレ(Gregoire Maret)、若手の注目株ギタリストのニア・フェルダー(Nir Felder)、イスラエルのベース/ウード奏者オメル・アヴィタル(Omer Avital)などゲストミュージシャンの顔ぶれも多彩だ。

『Across the Sea』アルバム紹介動画。
アルバムのハイライトとなる(3)「James」は素朴はカントリーミュージック風のジャズ。
この映像ではピアノとヴォーカルのデュオだが、アルバム収録バージョンはグレゴア・マレのハーモニカがとても良い味を出している。

ケヴィン・ヘイズは1968年、アメリカ合衆国生まれのピアニスト。ニューヨークに生まれ、コネチカットで育った。自身のバンドのほか、ビル・スチュワート・トリオでの活躍やソニー・ロリンズ、ジュシュア・レッドマン、ロン・カーター、パット・メセニーといった巨匠たちとの共演でも知られる。
メロディーを重視した歌心溢れる叙情的な演奏が得意で、時折ヴォーカルをとることも。

一方のヴォーカリスト、キアラ・イッツィは1985年イタリア生まれ。クインシー・ジョーンズに目をかけられ、2011年にはモントルー・ジャズ・フェスティヴァル・ヴォーカル・コンペティションにも優勝するなど、キュートなルックスだけではない若手の実力派として知られる。2013年にアルバム『Motifs』でデビュー。英語、イタリア語、ポルトガル語、スペイン語でオリジナル曲やカヴァー曲を取り上げた。2014年以降、拠点をニューヨークに移して活動している。

ニア・フェルダー(gt)を迎えたバードランドでのライヴ映像。

Kevin Hays – vocals, piano, fender rhodes
Chiara Izzi – vocals
Rob Jost – bass, french horn
Greg Joseph – drums
Omer Avital – oud
Gregoire Maret – harmonica
Nir Felder – guitar
Chris Potter – sax
Rogerio Boccato – percussion

Kevin Hays & Chiara Izzi - Across the Sea
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