サイドマンとして長年活躍したピアニスト、シャウル・エシェットの初リーダー作
イスラエル出身のピアニスト/作曲家/音楽プロデューサー、シャウル・エシェット(Shaul Eshet)がNYブルックリンで録音した『Love and Fear』(2020年)は、数々の著名ミュージシャンとステージや録音を共にしてきたこの知られざるピアニストの初リーダー作だ。トリオのメンバーには2019年にリーダー作『Tonewheel』をリリースした、ロシアに生まれすぐに難民となったベーシストのレオ・シェルマン(Leo Sherman)、そしてフランス・パリ生まれのドラマー、ラファエル・パニエ(Raphael Pannier)といった国際色豊かな人材で固められている。
すべてシャウル・エシェットのオリジナル曲で占められたアルバムの構成は多彩で、ヨーロッパのジャズを想起させる美しく叙情的な(1)「Song for the XX」から、ビバップ、ビートを重視した現代的な曲、バラードなどメロディを重視した作曲ながらアドリブでは激しく燃え上がるような演奏が続く。
奇を衒うような演奏こそないものの、全編にわたって燻銀のピアノが冴え渡る。
シャウル・エシェット(Shaul Eshet)はこれまでにイスラエルのミクスチャーバンド、イエメンブルース(Yemen Blues)のラヴィッド・カハラニ(Ravid Kahalani)、NYのレゲエバンド、イージースターオールスターズ(Easy Star All Stars)のマイケル・ゴールドワッサー(Michael Goldwasser)、イスラエル出身の世界的ベーシストのオメル・アヴィタル(Omer Avital)、グラミー賞受賞者のショーン・コルビン(Shawn Colvin)など、数々のアーティストと共演してきた実力者だ。
Shaul Eshet – piano
Leo Sherman – bass
Raphael Pannier – drums