ブラジル音楽の良心を体現するギター&女性Vo.デュオによるホベルト・メネスカル曲集

Márcia Tauil & Felix Junior - Pro Menesca

マルシア・タウイル&フェリクス・ジュニオール、R.メネスカル曲集をリリース

ブラジルの正統派歌手マルシア・タウイル(Márcia Tauil)と、卓越したセンスを持つ7弦ギター奏者フェリクス・ジュニオール(Felix Junior)の共同名義の新譜『Pro Menesca』は、そのタイトル通り、ブラジル音楽の巨匠ホベルト・メネスカル(Roberto Menescal)の作品集。(4)「Fuso Horário」にはそのホベルト・メネスカル本人もギターでゲスト参加している。

(7)「Pro Menesca」を除き全編がボサノヴァ全盛期に活躍したホベルト・メネスカルの楽曲のカヴァーだが、フェリクス・ジュニオールはボサノヴァの象徴的なバチーダ奏法ではなくジャズ寄りのバッキングでマルシア・タウイルの歌をサポート。7弦のガットギターらしい広い音域と、彼の持ち味である明るく力強い音色でギター伴奏の最高の姿を聴かせてくれる。

数多くのアーティストがカヴァーするホベルト・メネスカルの代表曲(2)「Você」。
フェルナンド・トハード・パーハ(Fernando Torrado Parra)がゲストシンガーとして参加している。

マルシア・タウイル(Márcia Tauil)は1968年生まれの歌手/作曲家/教師。1999年に『Águasda Cidade』でアルバムデビューし、以降15枚を超えるアルバムをリリース、MPB(ブラジルのポピュラー音楽)の前線を走り続けてきた正統派のベテラン歌手。マルチーニャ(Marcinha)の愛称でも親しまれており、ホベルト・メネスカルとは以前からステージでも共演を重ねてきた。

一方のフェリクス・ジュニオール(Felix Junior)はミナスジェライス州出身の若手奏者で、サンバ、ショーロ、バイアォンといったブラジルの伝統音楽からジャズ、クラシックなど幅広く吸収した音楽性が魅力。ジャンルは雑多ながらセンス抜群の『Retratos Abstratos』(2014年)や、エルメート・パスコアール(Hermeto Pascoal)とギンガ(Guinga)の楽曲にフォーカスした『Nascente』(2016年)など、隠れ名盤を多数発表してきた注目のギタリストだ。

本作には収録されていないけど、先日この世を去ったエンニオ・モリコーネの「Cinema Paradiso」の演奏も。

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