LAの人気マルチ奏者ジョシュ・ジョンソン、現代的でクールなデビュー盤

Josh Johnson - Freedom Exercise

人気サックス/鍵盤奏者ジョシュ・ジョンソン 待望のデビュー作

米国シカゴ出身、現在はロサンゼルスを拠点に活動するアルトサックス/キーボード奏者ジョシュ・ジョンソン(Josh Johnson)のアルバム『Freedom Exercise』は、彼が過去10年間でジェフ・パーカー(Jeff Parker)やマカヤ・マクレイヴン(Makaya McCraven)、キーファー(Kiefer)、リオン・ブリッジズ(Leon Bridges)といった面々とギグを重ねてきたレコーディングに引っ張りだこのマルチ奏者の初めてのリーダー作だ。

バンドメンバーはLAのマスロック・バンド、Fell Runner のフロントマンでもあるギタリストのグレゴリー・ユールマン(Gregory Uhlmann)、オーストラリア出身の女性ベーシスト、アンナ・バタース(Anna Butterss)、そしてNYやLAで活躍するドラマーのアーロン・スティール(Aaron Steele)。
ジャズシーンで頭角を表す4人によるこの新作は、良い意味でレトロなジャズに対する関心が薄く、今、そして未来に向けたサウンドを作り出している。

(1)「Nerf Day」はグレゴリーの細かく震える印象的なギターや、後半にかけて変幻自在にテンポを変える幻想的な楽曲。
(3)「Western Ave」はギターとベースのユニゾンで始まり、シンセの効果的な音を加えながら静かに燃え上がっていくような展開。
いささか古い印象もある(7)「False Choice」の冒頭のシンセベースも耳に残る。
アルバム全体にわたってアーロン・スティールのドラミングは特徴的で、この作品に斬新な感覚を与えるのに大きく役に立っている。

ジョシュ・ジョンソンのサックスは熱くブロウするタイプではなく、アルバム全体の温度感は低い(良く言えば“クール”なのだろうけれど)。これは彼ら若者たちに待ち受けている未来に対する、直感的な何かの表れだろうか。どことなく退廃的で諦観にも似た感触が漂い、儚さという美学が支配しているようにも聴こえる。

Josh Johnson – alto saxophone, keyboards
Gregory Uhlmann – guitar
Anna Butterss – bass
Aaron Steele – drums, percussion

Josh Johnson - Freedom Exercise
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