ベン・ウェンデル、特異な超絶クインテットによる新譜『High Hearts』

Ben Wendel - High Heart

ベン・ウェンデル、新バンドによる会心の新作

米国のサックス奏者/作曲家ベン・ウェンデル(Ben Wendel)による5枚目のアルバム『High Heart』がリリースされた。
2019年から活動を共にするメンバー6人編成で、特徴的なのはシャイ・マエストロ(Shai Maestro)とジェラルド・クレイトン(Gerald Clayton)という2枚の鍵盤奏者(アコースティックピアノとローズピアノ)、そしてスキャット歌手マイケル・メイヨー(Michael Mayo)の存在。
デュアル・キーボードは音域が被るが、時にシンクロしたり、時に広い音域で複雑性を持たせたりと音色のキャラクターの違いを活かし面白い効果を生んでいる。アドリブのようなフレーズでもサックスとヴォーカルがユニゾンしたりしているので、かなり細かく作り込まれた編曲ということも分かる。

(2)「Burning Bright」
アドリブのような複雑なフレーズのテーマをサックスとヴォーカルがユニゾンで奏でる。

リズム隊もベースにセロニアス・モンク・コンペティション準優勝、国際ジャズ・ベーシスト協会コンペティション準優勝というジョー・サンダース(Joe Sanders)、そしてドラムスには歌も歌えるマルチ奏者、さらにレコーディング・エンジニアとしても知られる天才ネイト・ウッド(Nate Wood)という強力な布陣。ネイト・ウッドは本作のミキシングも務めており、その存在感は大きい。

(5)「Drawn Away」
サックスとヴォーカルには空間的なエフェクトが軽く通されており、サウンドに厚みをもたらす。

Ben Wendel – saxophone, bassoon, EFX
Shai Maestro – piano, Fender Rhodes
Gerald Clayton – piano, Fender Rhodes
Joe Sanders – double bass
Nate Wood – drums
Michael Mayo – voice, EFX

Ben Wendel - High Heart
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