テルアビブで話題のユニット、Prophecy Playground デビュー作
イスラエル・テルアビブの男性シンガーソングライター/ギタリストのオール・イゼクソン(Or Izekson)によるオルタナティヴ・フォーク・プロジェクト、Prophecy Playgroundのデビュー盤『Comfort Zone』は、全編アコースティックギターとヴァイオリン、チェロを中心としたアコースティック楽器で構成された優しく魅力的な作品だ。
オール・イゼクソンによる歌詞は、内なる自分との葛藤や、仮想時代における目的の欠如、そして家(物理的および精神的なもの、その両面としての家)への永続的な憧憬を扱っている。10曲中8曲がオリジナルで、残りの2曲は60年代の英国のフォークロックのパイオニアであるケヴィン・エアーズ(Kevin Ayers)による(4)「Eleanors Cake」と、米国の伝説的ブルース・ギタリストであるジョン・ハート(John Hurt)の(8)「Nobody Cares for Me」が取り上げられている。
室内楽的なアレンジは控え目ながら注意深く、ほぼインストの(1)「Engineered Loneliness」からギターとヴァイオリン、チェロを中心とした穏やかなアンサンブルが続く。トランペットやフルートも時折参加するが、主張はせず風景に溶け込み彩りを添える。とても心地よく、なぜかずっと聴いてしまうサウンド。
Prophecy Playground は2018年にテルアビブで結成、当初は地元のバーや小規模なライブハウスで演奏を始めた。これがイスラエルを代表する音楽プロデューサーのひとりであるギル・スメタナ(Gil Smetana)の目にとまり、このデビュー作の制作に至った。2019年にラジオで放送されたデビューシングル(3)「Spirit Yawn」は国内で評判を呼び、高い評価を獲得。2020年2月に本作『Comfort Zone』をオランダのレーベルFriendly Folk Records からリリースしている。
Prophecy Playground :
Or Izekson – acoustic guitars, vocals
Carmiella Bernstein – cello
Avner Reshef – violin
Guests :
Guy Braham – drums, percussion
Ziv Grinberg – double bass
Ran Gross – flute
Ada Regimov – harp
Itamar Ben Yakir – trumpet
Guy Eylon – cello