ブラジルの名SSW、ノヴェーリの名作が蘇る『Viva Eu: As Canções Brasileiras de Novelli』
前作『Belo Horizonte』でラテングラミー賞「Mejor Álbum Música Popular Brasileña」部門を受賞したトニーニョ・オルタ(Toninho Horta)の新譜は、歌手バーバラ・カッシーニ(Barbara Casini)との親密なデュオアルバム『Viva Eu: As Canções Brasileiras de Novelli』。こちらもまた素晴らしい内容だった。
今作はミナス“街角クラブ”一派との関わりも深いブラジルのSSW、ノヴェーリ(Novelli)の曲集。ミルトン・ナシメントらと共作した(6)「Reis e Rainhas do Maracatu」やシコ・ブアルキとの共作(12)「Linha de Montagem」、エグベルト・ジスモンチによるカヴァーが有名な(10)「Baião do Acordar」、ミナスの永遠の名曲(15)「Minas Geraes」などなど、珠玉のレパートリーが優しいギターと歌で演奏される。
今作ではトニーニョ・オルタは全編でガットギターを弾いており、エレクトリック・ギターは一切弾いていない。ブラジル音楽に造詣の深いイタリア人歌手のバーバラ・カッシーニによる歌唱も素直で美しく、穏やかな時間が流れる。
さらにはジョイス(Joyce Moreno)、シコ・ブアルキ(Chico Buarque)、エドゥ・ロボ(Edu Lobo)、ネルソン・アンジェロ(Nelson Angelo)、ダニロ・カイミ(Danilo Caymmi)、イレッシ(Ilessi)といった旧友たち=ブラジル音楽を代表するアーティストたちがゲスト参加しそれぞれに彩りを添える。
(7)「Profunda Solidão」のみ、トニーニョのギターではなくフランシス・ハイミ(Francis Hime)がジャジーなピアノで伴奏をしている。
ノヴェーリ、ブラジル音楽を支えたSSW
今作でカヴァーされているノヴェーリ(Novelli, 本名:Djairde Barros e Silva, 1945 – )は、ブラジル・ペルナンブーコ州の州都レシフェ出身のシンガーソングライター/ベーシスト/ピアニスト。1960年代にレシフェでConjunto Nouvelle Vague というグループでベーシストとして音楽活動を開始、“ノヴェーリ”の愛称はこのフランス語「ヌーヴェル(Nouvelle)」に由来している。
その後リオデジャネイロに移住、アントニオ・アドルフォ(Antonio Adolfo)らとのトリオ、Trio 3-D を結成。ナナ・ヴァスコンセロスやトニーニョ・オルタ、ミルトン・ナシメントといった様々なアーティストたちと交流し、時には彼らとの共作でも楽曲制作を行ってきた。