ディアンジェロ・シルヴァ、最強布陣の新譜『Hangout』
ブラジル・ミナス出身のピアニスト/作曲家、ディアンジェロ・シルヴァ(Deangelo Silva)の注目の新譜『Hangout』。
カルテットのメンバーはピアノ/キーボードのディアンジェロ・シルヴァほか、ギターにフェリピ・ヴィラス・ボアス(Felipe Vilas Boas)、ベースにフレデリコ・エリオドロ(Frederico Heliodoro)、ドラムスにアントニオ・ロウレイロ(Antonio Loureiro)という、おそらく考え得る“ミナス新世代”界隈の最強布陣で、否応なく期待値が高まる。
大きな評判を呼んだデビュー作『Down River』(2017)と比べると、今作は(1)「Berlin」や(3)「Jack Herer」などシンセを効果的に用いたサウンドの影響からか、よりエッジが際立った印象を受ける。
今作ではドラマーとして参加しているアントニオ・ロウレイロの最新作『Livre』のサウンド・コンセプトを彷彿とさせ、複雑だが重くはなく、極めて繊細な楽曲群はこの時代の一種のトレンドとも言えるだろう。
ディアンジェロ・シルヴァはブラジル・ミナスジェライス州都ベロ・オリゾンチ出身で、数多くの優れた音楽家を輩出するミナス・ジェライス連邦大学(UFMG)を2014年に卒業している。
2017年にはブラジルの器楽音楽の登竜門であるBDMGインストゥルメンタル・アワードを受賞し、同年『Down River』でデビューした。
ハービー・ハンコックやブラッド・メルドーからの影響を公言しており、常に時代の最先端の音楽を創り出そうとする姿勢は彼らとも共通する。
3年ぶりの待望の2ndとなる今作『Hangout』は、米国ニューヨークやイスラエルのジャズシーン、さらにはアルメニアの孤高のピアニスト、ティグラン・ハマシアンの音楽性とも相互に影響しあうブラジル・ミナス界隈の現代ジャズシーンを象徴するアルバムであることは間違いない。
Deangelo Silva – piano, keyboards
Felipe Vilas Boas – electric guitar
Frederico Heliodoro – electric bass
Antonio Loureiro – drums