イスラエルの若きフラメンコ・ギタリスト、夢の中をたゆたう待望の2nd

Idan Balas - Dreams in Transition

注目の若手フラメンコ・ギタリスト、イダン・バラス待望の新譜

イスラエル出身のフラメンコ・ギタリスト/作曲家のイダン・バラス(Idan Balas)の2ndアルバム『Dreams in Transition』
バンドのコアメンバーには人気ピアニスト、シャイ・マエストロの実妹でベーシストのガル・マエストロ(Gal Maestro)、イスラエルを代表するパーカッション奏者のイタマール・ドアリ(Itamar Doari)を迎え、さらにフラメンコの本場スペインの歌手なども参加した本格的なコンテンポラリー・フラメンコの作品に仕上がっている。

アルバムにはシングルで先行配信されていた(1)「Sueño」、(3)「Dreams in Transition」、(4)「Amor y miedo」も含まれている。

(1)「Sueño」は若手フラメンコ女性歌手(カンターラ)として注目されるロシオ・マルケス(Rocío Márquez)が参加。タイトルはスペイン語で“夢”。イダン・バラスの歯切れの良いギターはもちろん、この曲ではイスラエル随一のマルチ木管奏者ヨニー・ドロール(Yonnie Dror)のフルートも効果的で、カラフルな夢の中をたゆたうような名曲/名演だ。

ロシオ・マルケスが歌う(1)「Sueño」のMV。

どの曲も非常に技巧的かつ情緒豊かで驚かされる。
ヨニー・ドロールによるクラリネットや、ストリングスの響きも美しい(3)「Dreams in Transition」や、タイニー・デスク・コンサート(Tiny Desk Concert)でも演奏を披露するなど世界が注目するシンガーソングライター/ギタリストのラウ・ノア(Lau Noah)をシンガーに迎えた(6)「Magia y misterio」、バッハとパコ・デ・ルシアに捧げられた(8)「Etude #2」などコンセプトも演奏も楽しい曲が続く。

バケモノ級ばかりのフラメンコ・ギター界の中においては、テクニック面だけを見ると突出したものではないように思えるが、様々な奏法を駆使して爪弾く音色の素晴らしさや楽曲自体の佳さ、多彩なゲストにも彩られたサウンドの豊かさで(前作同様に)アルバムの全体的なバランスやクオリティが非常に高く、長く楽しめる作品だと思う。

前作『Endless Love Stories』(2017年)収録の(2)「Tune for a Mountain」のMV。
ソロギターで類稀なセンスを見せつけた傑作だ。

イダン・バラスは2017年に『Endless Love Stories』でデビュー、その高い音楽性で注目を集めた。伝統的なフラメンコ以外にも様々なジャンルから影響を受け、自身のスタイルに取り入れたコンテンポラリー・フラメンコのスタイルで知られている。SNSでも積極的な情報発信を行う、スペイン外の注目の新世代フラメンコ・ギタリストのひとりだ。自身のホームページでは言い値での楽譜等の販売もしている。

Idan Balas – guitar, laud, piano, double bass, vocal
Rocío Márquez – vocal
Yonnie Dror – flute, clarinet
Gal Maestro – double bass
Itamar Doari – percussion
Pablo Plada – bass
Cordelia Hagmann – strings
Tali Goldberg – strings
Yael Shapira – strings
Oren Tsor – strings
David el Galli – vocal, palma
David el Chupette – percussion
Jesus Flores – palma
Roei Hermon – trumpet
Lau Noah – vocal
Yael Tuchfeld – baile


Idan Balas - Dreams in Transition
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