サンパウロのベース奏者フィ・マロスティカ、注目のソロデビュー作

Fi Maróstica - Visão do Mar

サンパウロの気鋭ベーシスト、待望の新譜

これまで特に、妻であり歌手のヴァネッサ・モレーノとのデュオ活動で知られているブラジル・サンパウロのベーシスト、フィ・マロスティカ(Fi Maróstica)の待望のソロ・デビュー作『Visão do Mar』がリリースされた。収録の全9曲は全てフィ・マロスティカの作曲/編曲。(4)「Casulo」のみコントラバスの独奏だが、基本的にベース、ピアノ、クラリネット、ドラムスのカルテットを軸に数曲でゲストシンガーを迎えた内容となっている。

ゲストも目を見張る面子だ。(1)「Visão do Mar」にはブラジルを代表するベテラン女性歌手モニカ・サウマーゾ(Monica Salmaso)、(2)「Nino e Cal」にはベテランSSWフィロ・マシャード(Filó Machado)が参加し素晴らしいスキャットを披露している。タチアナ・パーハ(Tatiana Parra)とヴァネッサ・モレーノ(Vanessa Moreno)の歌姫二人による可憐なハーモニーが楽しめる(5)「Borboleta」も素敵だ。

(5)「Borboleta」には歌手のタチアナ・パーハとヴァネッサ・モレーノがゲスト参加。
ゲストヴォーカルにフィロ・マシャードを迎えた(2)「Nino e Cal」

そして、個人的にはフィの娘の名を冠した(3)「Alice」が至高。
主役のフィ・マロスティカはここではコントラバスではなくエレクトリック・ベースを弾いているが、ヴァネッサ・モレーノの陽だまりのような声、アレシャンドリ・ヒベイロ(Alexandre Ribeiro)の温かみのあるクラリネット、チアゴ・コスタ(Tiago Costa)の時に思慮深く時に無邪気なピアノ、クレベール・アルメイダ(Cléber Almeida)の空間を彩るドラム、そして極めつけは中間部でサンプリングされている子どもの声──そう、フィとヴァネッサの愛娘アリスの声。そして信じられないことに、今作の素敵すぎるセンスのジャケット絵もアリスが描いたものだ──のあどけなく可愛らしい声、と、もう涙が出るくらいに幸せで美しい曲になっている。

フィ・マロスティカ。ヴァネッサとの夫婦デュオで注目されたベーシスト

ベーシスト/作曲家のフィ・マロスティカ(Fi Maróstica)はサンパウロ州オウリーニョスの生まれ。
ヴァネッサ・モレーノとのデュオで2013年に『Vem Ver』、2016年にジルベルト・ジル作品集『Cores Vivas』をリリース、ここ日本でも注目を集めた。
今作『Visão do Mar』は注目のソロ・デビュー作。

ついでなので素敵すぎる夫婦デュオでの「Samba com Pressa」(ホーザ・パッソス作曲)の演奏も。

Alexandre Ribeiro – clarinet, clarone
Tiago Costa – piano, rhodes
Fi Maróstica – bass
Cléber Almeida – drums

Guests :
Monica Salmaso – vocal (1)
Filó Machado – vocal (2)
Tatiana Parra – vocal (5, 6)
Vanessa Moreno – vocal (3, 5)

2021/1/16 追記:
フィ・マロスティカとヴァネッサ・モレーノは2021年現在、離婚しているとのこと。

Fi Maróstica - Visão do Mar
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