ブラジルを代表するギタリスト、ディアゴ・フィゲイレド、新譜は自作曲集
ジャズとクラシック、ブラジル音楽を折衷したスタイルが魅力のブラジルの卓越したギタリスト、ディアゴ・フィゲイレド(Diego Figueiredo)新譜『Antarctica』(2021年)がリリースされた。
収録曲は全てディエゴ・フィゲイレドによるオリジナルで、彼は全編でナイロン弦のクラシックギター(ガットギター)を演奏している。ピアノ、ベース、ドラムスを加えたカルテットでの曲が多いが、主役はほぼディエゴのギターで(バッキングにまわっても彼のギターは主張し続けている)、確かな基礎と様々なスタイルから吸収された表現力豊かな即興演奏を堪能できる。
ソロギターで演奏されるタイトルトラック(3)「Antarctica(南極大陸)」は南極大陸へ向かうクルーズ船の中で書かれた曲とのこと。
バーデン・パウエルを彷彿させるジャズサンバ(2)「Samba for Haroldo」、ブラジル北東部のダンス音楽フォホーを取り入れた(7)「Caribbean Gonzaga」、フランス風ワルツとボサノヴァを往き来する(11)「From Rio to Paris」など、多彩で情緒豊かな楽曲群はとても魅力的。
ディアゴ・フィゲイレド(Diego Figueiredo)は1980年、ブラジル・サンパウロ州フランカに生まれた。幼少期よりギターやバンドリンを含む多くの楽器に触れ、12歳の頃には既に地元のパブで即興演奏を披露していた。15歳の頃にはブラジル各州をツアーしたり著名ミュージシャンと共演するなど、“次代のバーデン・パウエル”との異名もとっていたという。
これまでに26枚のCDと3枚のDVDをリリース。ジルベルト・ジル(Gilberto Gil)、ジョアン・ボスコ(João Bosco)、ホベルト・メネスカル(Roberto Menescal)、トッキーニョ(Toquinho)といったブラジル音楽の巨匠たちを始め数々のミュージシャンと共演、第一線での活躍を続けている。