イスラエルのスーパーユニット、Apifera
リジョイサー(Rejoicer, key)、ニタイ・ハーシュコヴィッツ(Nitai Hershkovits, key)、アミール・ブレスラー(Amir Bresler, ds)、そしてヨナタン・アルバラク(Yonatan Albalak, b)というイスラエルジャズの最先端を走る4人のミュージシャンが集ったスーパーユニット、Apifera のデビュー作『Overstand』。母国イスラエルの伝統音楽、西洋クラシックのサティやラヴェルといった印象派、アフリカの伝統音楽、さらにはサン・ラのようなスピリチュアル・ジャズをすべて混ぜ込み、現代ジャズの音で出力したような幻想的な音楽は、彼らが“現実以上に明晰な夢のよう”と称するとおり、美しい幻覚を見ているような心地よさ。
LAの人気レーベル Stones Throw からのリリースとなる本作は3日間の即興主体のライヴ・レコーディングによって作られた。サウンドの温度感は低いが、独特の有機的な質感はライヴ演奏ならでは。個人的には、このグループの奏者で特に素晴らしいのはドラムスのアミール・ブレスラーだ。セフィ・ジスリング(Sefi Zisling)などのゲストを除き、Apifera ではドラムセットのリズムだけが唯一電気を通さないアコースティックな音を基本にしており、この新しくもどこか懐かしいサウンドのキーマンになっているような気がする。
Apifera :
Rejoicer – keyboards
Nitai Hershkovits- keyboards
Amir Bresler – drums
Yonatan Albalak – bass
Noam Havkin – keyboards (3, 4, 6, 8)
Sefi Zisling – trumpet (1, 6)
Yair Slutzki – trombone (1, 6)
Shlomi Alon – saxophone, flute (1, 6)