作曲家/ベーシスト、ベーシスト、ダニエル・ハーレフのデビュー作
イスラエルの要注目JAZZレーベルSPEAK THRUより、ベーシスト、ダニエル・ハーレフ(Daniel Harlev)の初リーダー作が登場。デジタルリリースされた『Ayanaw』はたった3曲入りのシングルでありながら、彼の独創的なコンポーザーとしての素質や、若手の実力者たちが集うクインテットの強固なアンサンブル、そして活況を見せるイスラエルのジャズシーンの最先端が凝縮された驚くべきクオリティの作品に仕上がっている。
(1)「Tony Hawk」はニア・クライナー(Nir Kleiner)のドラムソロで始まり、その後クインテットでのテーマ演奏に入るが、最高潮で突如テンポダウンし、駆け上がる三連符のスケールがユニゾンで奏でられる。空間系のエフェクターを用いたロン・アヴィヴィ(Roi Avivi)に乗せてサックスのエイタン・ルドマン(Eitan Rudman)がソロをとる。
(2)「Hilula」はイスラエルジャズらしい中東的な旋律が特徴的な楽曲で、ここではピアノのスタヴ・アハイ(Stav Achai)の演奏が際立っている。ダニエル・ハーレフは短いソロの後は淡々と低音を支えるが、後半にかけて徐々に反復するフレーズで盛り上げていき、ラスト1分ほどは興奮の渦に飲み込まれる。スタヴ・アハイはわざと半音ずらしたフレーズを弾き、昂る感情を感性の趣くままに音に委ねる。
(3)「The Quiet of Yogev」は抒情的な11拍子の曲で、度重なる転調がドラマティックに響く。
今作は全てダニエル・ハーレフの作曲。作曲センスもバンド演奏も素晴らしく、フルアルバムのリリースが待ち遠しい。
Daniel Harlev – contrabass
Stav Achai – piano
Eitan Rudman – tenor & soprano saxophone
Nir Kleiner – drums
Roi Avivi – guitar