モダンジャズの静かなる進化の先端。マイエレ・マンザンザ新譜

Myele Manzanza - London

NZ出身、ロンドン・ジャズシーンで活躍するマイエレ・マンザンザ新譜

ニュージーランド出身、ロンドンのジャズシーンで活躍するドラマー/作曲家、マイエレ・マンザンザ(Myele Manzanza)の新譜『Crisis & Opportunity, Vol. 1 – London』。同郷ニュージーランド出身のマーク・ド・クライヴ・ロウMark de Clive-Lowe)やロンドン随一の鍵盤奏者アシュリー・ヘンリー(Ashley Henry)らを擁したバンドで、ヒップホップやエレクトロニカを経由した“現代のジャズ”を鳴らす。

ジェイムズ・コパスJames Copus)のトランペット、ジョージ・クロウリーGeorge Crowley)のテナーサックスという2管をフィーチュアした(1)「Big Deal 2」は意外なほどにオーソドックスなオールドスタイルのジャズで、スウィングし激しく即興するバンドは原初的なジャズの熱気を帯びる。聴きどころは7分頃から展開されるドラムソロだ。バスドラムのパターンなど、明らかにヒップホップのグルーヴを自然に取り入れつつ、クールに盛り上げていく3分間ほどのソロで新世代ドラマーの真骨頂を魅せてくれる。

2曲目から参加する盟友マーク・ド・クライヴ・ロウのシンセも効果的だ。(4)「London」などでは特に印象的に用いられ、マンザンザのドラミングとともに伝統的なジャズの進化の道筋を辿っていく。

(4)「London」

コンゴ出身のパーカッション奏者である父のもと、1988年に生まれたマイエレ・マンザンザはヒップホップやジャズ、ダンスミュージックを聴いて育った。ニュージーランドのソウル・トリオ、エレクトリック・ワイヤー・ハッスル(Electric Wire Hustle)で活躍しその名を知られるようになり、2012年にアルバム『One』でソロデビュー。現在は英国ロンドンを拠点に活動を続けている。

Myele Manzanza – drums
Ashley Henry – piano
James Copus – trumpet
George Crowley – tenor saxophone
Benjamin Muralt – bass
Mark de Clive-Lowe – synths

Myele Manzanza - London
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