マリア・マツォッタ&プルチネッラ共演作『Grifone』
イタリアの歌手マリア・マツォッタ(Maria Mazzotta)と、2004年結成のフランスのバンド、プルチネッラ(Pulcinella)が地中海周辺音楽とロック、ジャズをディープに融合させた共演作『Grifone』をリリースした。
国際的に活躍する稀有な音楽性を持った彼らならではの、荘厳な景色を見せる傑作と言って良い作品だ。
(1)「Pizzicarella」からテンションは最高潮。アナログシンセやレトロなオルガンの音が女性ヴォーカルに絡む最初の3分半ほどは荘厳な雰囲気だが、中盤からは一転しバルカン音楽風ミュゼットを思わせる展開に。
自由で快活なスキャットの(3)「Avanti」、4ビートのベースラインが気持ちいいバルカン音楽(5)「Diavoletto indiavolato」、怪しげなワルツ(6)「La Foule」、伝説上の生物“グリフォン”をテーマにしたプログレッシヴ・ロックな組曲(9)「Grifone suite」など、どこから聴いてもオリエンタルジャズ/ロックの絶品に仕上がっている。
プロフィール
女性歌手マリア・マツォッタはイタリア南部のギリシャ系伝統音楽楽団の Canzoniere Grecanico Salentino に2000年から15年間所属しており、南イタリアで最も優れたシンガーのひとりと評価されている。
イタリア含む地中海沿岸の音楽のほか、東ヨーロッパやインド音楽など多彩な表現力が魅力的な歌手で、これまでにボビー・マクファーリン(Bobby McFerrin)、イブラヒム・マーロフ(Ibrahim Maalouf)、リタ・マルコチュリ(Rita Marcotulli)、バラケ・シソコ(Ballake Sissoko)といった国際的なアーティストとも共演してきている。
プルチネッラ(Pulcinella, “道化師”の意)は木管/鍵盤奏者のフェルディナンド・ドゥメルク(Ferdinand Doumerc)、アコーディオン奏者のフロリアン・デモンサン(Florian Demonsant)、ジャン=マルク・セルピン(Jean-Marc Serpin)、そしてドラムスのピエール・ポレ(Pierre Pollet)の4人組グループで、2004年にフランス南部のトゥールーズで結成された。ジャズ、ファンク、プログレ、ミュゼット、タンゴ、さらには現代音楽やエレクトロニカといったジャンルから影響を受けたプルチネッラは、そのグループ名通り多様で変幻自在の音楽性を表す。
Maria Mazzotta – vocals, tamburello
Ferdinand Doumerc – saxophones, flute, metallophone, Armon keyboard, monotron, choirs
Florian Demonsant – accordion, Elka organ, choirs
Jean-Marc Serpin – double bass, choirs
Pierre Pollet – drums