全身で体感する音響派ジャズ、Electric Kif 新譜『Dreamlike』

Electric Kif - Dreamlike

音響派カルテット Electric Kif、パンデミック下で制作された新譜

フロリダ州マイアミを拠点とする4人組の気鋭ジャズバンド、エレクトリック・キフ(Electric Kif)
2000年代後半に結成され、グルーヴや音響にこだわり続ける彼らの新譜『Dreamlike』がリリースされた。

(1)「Sonar」がいきなり象徴的だ。一歩間違えばいなたさ全開のシンセのフレーズも、その絶妙なリズムのヨレがリズム隊と見事に絡み合ってクセになるグルーヴを生む。ダブ、ヒップホップやエレクトロも経由してきた音も気持ちよく、エフェクト処理なども含め多層的に重なる空間的なサウンドがトリップ体験へと誘ってくれる。

ジャズの重要なファクターである即興演奏を彼らももちろん取り入れているが、ソロはあまり重視していないようだ。個々の才能の主張よりもバンドとしての調和を重視したサウンドは一定の色彩感覚を呼び起こさせる(ジャケットのぼんやりとした絶妙なグラデーションは、Electric Kifのサウンドイメージにとてもよく合っている)。

アーロン・パークス、クリス・ブロックがゲスト参加

今作ではゲストとして米国現代ジャズの中心人物である鍵盤奏者アーロン・パークスAaron Parks)とスナーキー・パピーなどで活躍するサックス奏者クリス・ブロックChris Bullock)も参加しており、彼らはたっぷりとソロを聴かせてくれる。
アーロン・パークスとは2020年のツアーを共にするという計画もあったようで、パンデミックのために実際には中止されてしまったが、その繋がりが今作へのゲスト参加という形で結実したとのこと。

アーロン・パークスをゲストに迎えた(3)「Dreamlike」
(2)「Marrakush」のライヴ動画

Electric Kif :
Eric Escanes – guitar, 12 string guitar, sampler
Armando Lopez – drums, percussion, cooking sheet
Jason Matthews – Prophet keyboard, synth pads
Rodrigo Zambrano – fretless bass, Korg keyboard Minilogue intro, Moog keyboard bass

Guests :
Aaron Parks – synth solo (3)
Chris Bullock – saxophone (8)

Electric Kif - Dreamlike
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