ブラジリアン・ギター・クラシックス満載、パスカル・ブルネ『Violão Do Brasil』
フランス・パリを拠点に活動するクラシックギター奏者、パスカル・ブルネ(Pascal Bournet)によるブラジル・ギター曲集『Violão Do Brasil』(2021年)。
ジョアン・ペルナンブコ(Joao Pernambuco)、パウリーニョ・ノゲイラ(Paulinho Nogueira)、パウリーニョ・ダ・ヴィオラ(Paulinho da Viola)、アントニオ・カルロス・ジョビン(Antonio Carlos Jobim)、バーデン・パウエル(Baden Powell)、ヂレルマンド・ヘイス(Dilermando Reis)といったブラジルを代表する作曲家たちの代表的な楽曲をジャンルに捉われず選曲。独自のアレンジも交えながら爪弾かれるガットギターは、丁寧になりすぎず直感的で動物的な揺らぎを残しておりとても心が安らぐ。
ソロギターでの演奏が多いが、中にはパーカッションを用いてサンバやショーロのフィーリングを強調した演奏も半数近くあって「ブラジルのギター」を意味するアルバムタイトルに偽りはない。
全25曲収録とボリュームも満点だが、個人的なおすすめはジョアン・ペルナンブコの(3)「Reboliçao」、20世紀初頭から活躍した作曲家/ギタリストのヂレルマンド・ヘイス(Dilermando Reis)作曲で弟パトリック・ブルネ(Patrick Bournet)とのギター二重奏(12)「Xodo de Baïana」、パウリーニョ・ノゲイラ作曲の(13)「Bachianinha N°1」、ジョビンの名曲(16)「Children’s Game」、パウリーニョ・ダ・ヴィオラの(22)「Rosinha Essa Menina」などが特にブラジリアン・クラシックスの美しさを捉えており素晴らしいと感じた。