ロシア発、伝承歌をジャズプログレに大胆アレンジする凄腕バンド Settlers

Settlers - У заветного столба

ロシアの若手バンド Settlers

ロシア・サンクトペテルブルクのムソルグスキー音楽学校で出会った7人のメンバーで構成されるバンド、Settlers。彼らはロシアの伝承歌をインスピレーションの源とし、コンテンポラリー・ジャズで表現する優れたバンドだ。2019年秋に学生グループによって競われるJazz Across Bordersで優勝し、以降各地で演奏しながらアルバムの制作に取り組んできた。デビュー作『У заветного столба』は2021年6月リリースされ、密かに評判を呼んでいる。

もともとはロシア各地に伝わる伝承歌だというが、ギタリストのOleg Sudosievが担当するアレンジはかなり複雑で現代的だ。
伝統音楽にインスパイアされたという点ではアルメニアのティグラン・ハマシアンを想起させるが、ヴォーカルのYana Shelpakovaによると「私たちの音楽はティグラン・ハマシアンに始まり、レディオヘッドに終わる」のだという。

(1)「Свадебная」は美しい女声コーラスで始まり、その後はプログレッシヴな変拍子のリズムの嵐だが、伝統的な歌唱法を活かしたYana Shelpakovaのヴォーカルは聴いていてどこか懐かしさもあり不思議な魅力がある。

タイトルは「結婚式」を意味する(1)「Свадебная」

(2)「Неделя」(一週間)も洗練された美しいイントロで始まるが、やはり途中から物凄い変拍子曲へと豹変。その後もアレンジもサウンドも工夫の凝らされた曲が続き、全8曲は聴き応え充分だ。
オリジナリティ溢れるロシアのフォーク・ジャズ。これは素晴らしい!

ライヴ動画

Yana Shelpakova – vocal
Oleg Sudosiev – guitar, arrangement
Anastasia Mazurenko – keyboards
Igor Borodin – drums
Mikhail Pashkov – double bass, bass guitar
Polina Ilyina – saxophone
Andrey Selivanov – trumpet

Settlers - У заветного столба
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