フランスの俊英チェロ奏者クリスティアン=ピエール・ラ・マルカ、地球の環境をテーマにした2枚組傑作

Christian-Pierre La Marca - Wonderful World

時代もジャンルも国境も超えた傑作『What a Wonderful World』

フランスのチェリスト、クリスティアン=ピエール・ラ・マルカ(Christian-Pierre La Marca)が“地球を救う”ことをテーマにクラシック、ジャズ、ワールドミュージックなど幅広く名曲をセレクトし多数の名奏者を迎えて制作した2枚組アルバム『Wonderful World』は、言葉では言い表すことのできない音楽の素晴らしさが詰まった名作だと思う。

選曲も曲順も最高で、フォーレの(1-1)「3 Songs, Op. 7, No. 1, Après un rêve(「三つの歌 夢のあとに」)」に始まり、映画『オズの魔法使い』からの名曲(1-2)「Over the Rainbow(虹の彼方に)」、ミシェル・ポルタルの(1-3)「Habanera」に南米の名曲(1-13)「Alfonsina y el mar(アルフォンシーナと海)」、イスラエル系フランス人歌手ニリ・ハディダがヴォーカルを取る(1-17)「You Want My Money」と多彩な1枚目を終えると、2枚目は(2-1)「Moon River」に始まり(2-12)「What a Wonderful World(この素晴らしき世界)」で終わる。

選曲からもメッセージを読み取れるように、ただ単に地球や人々の営みを讃えるだけではなく、顕在化する危機へも警鐘を鳴らす。

ラ・マルカはこう語っている──

音楽には、説得したり動員したりすることなく人々の良心を目覚めさせ、より敏感にさせる力があるのです。
音楽とは、心に直接的に届く短絡なのです。

https://www.christianpierrelamarca.com/

https://www.youtube.com/watch?v=sk8zDLvkmZs
(1-2)「Over the Rainbow」

クリスティアン=ピエール・ラ・マルカは1983年フランス・ニース生まれで、主にオーケストラと室内楽で活躍するチェリスト。パリ国立高等音楽院でフィリップ・ミューレに師事し、同音楽院を最高位で卒業。その後ケルン音楽大学でフランス・ヘルマーソンに師事。ヨーロッパの複数のコンクールで優勝し、2004年にはニューヨークのヤング・コンサート・アーティスツ国際オーディションでも優勝を果たしている。レパートリーもバロック音楽から現代音楽までと幅広く、イツァーク・パールマン、小澤征爾、マリア・ジョアン・ピレスなどからも指導と激励を受けた。

楽器は19世紀の名製作家ジャン=バティスト・ヴィヨーム(Jean-Baptiste Vuillaume)のチェロを愛用している。

Christian-Pierre La Marca – cello

Sabine Devieilhe – vocal
Patricia Petibon – vocal
Nili Hadida – vocal
Benjamin Cotto – guitar
Michel Portal – clarinet
Félicien Brut – accordion
Edouard Macarez – contrebass
Thomas Enhco – piano
Thierry Escaich – piano
Nathanaël Gouin – piano
Baptiste Trotignon – piano

l’Orchestre de Paris – strings

Christian-Pierre La Marca - Wonderful World
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