アルゼンチン伝統音楽を拠り所とした現代ジャズ注目作
アルゼンチン出身、近年は米国NYを拠点に活動する作曲家/ギタリストのダリオ・アコスタ・テイク(Dario Acosta Teich)の新作『Folklore』は、タイトルが表すようにアルゼンチン各地の伝統音楽を取り入れた洗練されたジャズ作品だ。
ダリオ・アコスタ・テイクは全編でナイロン弦ギター(ガットギター)を演奏。House of Watersのモト・フクシマ(Moto Fukushima, b)やレオ・ジェノヴェス(Leo Genovese, p)、フリオ・ボッティ(Julio Botti, sax)らを擁するバンドに、数曲でジャキス・モレレンバウム(Jaques Morelenbaum, cello)やマイク・スターン(Mike Stern, gt)、エリナー・ドゥビンスキー(Eleanor Dubinsky)といったゲストが参加し、澄みわたる空のように清廉なアンサンブルを展開する。
全曲がダリオ・アコスタ・テイクの作曲。ダリオのギターはバッキングでもソロでも非常にテクニカルで、そのプレイには確固としたジャズの才知だけでなく、故郷アルゼンチンへの深い愛情も滲む。伝統的なものをベースにしながらも、随所で各参加メンバーによる実験的で斬新な表現手法も見られるなど自由さもあり、アーティスティックな作品に仕上がっている。
Dario Acosta Teich プロフィール
ダリオ・アコスタ・テイクは1986年生まれ。11歳の頃から音楽院でギターを習い始めた。
2008年にブエノスアイレスに移り、ラプラタ大学で作曲を学び、その1年後にはアルゼンチン民俗学の協力教員となっている。
2015年にイスラエルに移り、エルサレム音楽舞踊アカデミーでジャズの修士号を取得。
2015年以来、南米以外にもヨーロッパ、イスラエル、パレスチナ、米国、カナダなどをツアー。これまでにピピ・ピアソラ(Pipi Piazzolla)、フランコ・ルシアーニ(Franco Luciani)、キケ・シネシ(Quique Sinesi)、ナウエル・ペニシ(Nahuel Pennisi)、フアン・ファルー(Juan Falu)といったアルゼンチンの優れたアーティストたちとも共演している。
Dario Acosta Teich – guitar, vocals
Moto Fukushima – bass
Franco Pinna – drums
Leo Genovese – piano, Rhodes
Julio Botti – saxophone
Guests :
Eleanor Dubinsky – vocals (2, 8)
Zach Brock – violin (8)
Mike Stern – electric guitar (6)
Jaques Morelenbaum – cello (2)