トティ・ソレール、キャリア37枚目の新譜
スペイン・カタルーニャのギターの巨匠、トティ・ソレール(Toti Soler)の新譜『Fill de la fortuna』は、優しく紡がれるガットギターの音色と、彼が懇意にしてきた幾人かの素晴らしいヴォーカリストたちの歌によって、穏やかに流れる幸福な時間に浸れる美しい作品だ。
トティ・ソレールのソロキャリア37枚目となる今作は、全17曲とボリュームも満点。うち6曲ではヴォーカリストが参加しており、サンドラ・ボニージョ(Sandra Bonillo)、ジェンマ・ウメット(Gemma Humet)、ロサ・マテウ(Rosa Mateu)、ミレイア・ビベス(Mireia Vives)、そしてトティの孫であるマルク・レイエス・ソレール(Marc Reyes Soler)が名を連ねている。トティ・ソレールのギターはどこまでも優しく、70歳を超えても未だ衰えないテクニックに魅了される。いくつかの楽曲ではトティ・ソレールの繊細なギターに、これまた繊細なダブルベースとパーカッションが被さり、多幸感に満ちたアンサンブルを聴かせてくれる。
アルバムはトティの孫が歌う伝統曲(17)「Fill de la fortuna」(幸せの息子)で締め括られる。
どこまでも心の温まる、本当に素晴らしい音楽だ。
スパニッシュ・ギターの巨匠、Toti Soler
トティ・ソレールは1949年バルセロナ県の村ヴィラサール・デ・ダルト生まれ。1960年代からプロとして活動を開始し、70年代にはカタルーニャの伝統的な音楽にジャズやロックを融合させたバンド、OMのギタリストとしても活躍。以降もクラシック、ジャズ、ブルース、フラメンコなどの影響を受けたスタイルで幅広いミュージシャンと半世紀以上にわたって共演を重ね、カタルーニャの音楽を牽引してきた。
Toti Soler – guitar
Marc Prat – contrabass
Arnau Figueres – percussion
Guest Vocalists :
Sandra Bonillo
Gemma Humet
Rosa Mateu
Mireia Vives
Marc Reyes Soler