必聴!未知の海への航海を始めたアルゼンチンの若きSSW、デルフィーナ・マンカルドのデビュー作

Delfina Mancardo - Octante

ブエノスアイレスから新しい風、SSWデルフィーナ・マンカルド

アルゼンチンの新鋭シンガーソングライター、デルフィーナ・マンカルド(Delfina Mancardo)の初のフルレンス・アルバム『Octante』。これは素晴らしすぎる。
想像力の翼で地球を自由に飛び、いつまでも終わらない夢の中を揺蕩たゆたうような心地よさ。彼女自身が弾く控えめなアコースティックギターと南米音楽らしい丁寧で洗練された室内楽的なアレンジはどこまでも美しく、ヴォーカリストとしての表現力を際立たせる。

ブエノスアイレス出身のSSWではあるものの、米英のフォークやロックからの影響が強いと思われ、演奏しているギターもナイロン弦ではなくスティール弦の所謂フォークギター。歌詞もアルゼンチンの公用語であるスペイン語と、英語を曲によって使い分ける。

楽曲群もどことなく不思議な印象のものばかりだ。
(1)「N16°31.55’. E111°46.1’」は地球上の座標を示していると思われるが、その場所を検索してみると南シナ海の岩礁のような場所に行き当たる…。

小さな赤いボートが中国に向かって航行している夢を見たことから生まれたという(5)「Little Red Boat」は、控えめなアコースティックギターと、繊細なオーケストレーションが見事な楽曲。
ここでは彼女は遠い大地を目指す船乗りを物語の主人公とし、目的地に辿り着けるかどうかも分からない旅を歩む決意の象徴として登場させている。

タイトル曲である(6)「Octante」は天体の高度を観測して船の位置を知るための天文測器「八分儀」の意で、ピアノの後ろで流れる波の音も遠い外洋への彼女の強いこだわりを感じさせる。

(2)「Desandar」は6/8拍子で、アルゼンチンの伝統的なポピュラー音楽からの影響も伺える。

スペイン語圏の音楽を紹介するIndiehoyの記事によると、彼女の主な影響源はジョニ・ミッチェル(Joni Mitchell)やリアン・ラ・ハヴァス(Lianne La Havas)とのこと。

デルフィーナ・マンカルド。この作品はブエノスアイレスの若き芸術家の象徴的な船出だ。
おそらくこの先には多くの困難が待ち受けているが、間違いなく追い風も吹いてきている。彼女はきっと、その風を類稀な美しさを誇る帆に受け、航海の目的地に辿り着けることだろう。

(7)「Hago Lo Que Siento :)」の弾き語り。鉄弦のギターを弾いているが、ピックは使わず柔らかい音色を奏でる。

参考記事:yamabra disk
https://note.com/mishigooka/n/n5b09bcb6eae0

Delfina Mancardo - Octante
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