二人の若き才女が率いるスウェーデンの5人組ジャズバンド、Dearest Sister デビューEP

Dearest Sister - Leave Me Be

スウェーデンの注目のポストロック/ジャズバンド

二人の若き才女が率いるスウェーデンの5人組ジャズバンド、ディアレスト・シスター(Dearest Sister)のデビューEP『Leave Me Be』がリリースされた。4曲というEPのボリュームは彼女らの音楽に魅入られた者としては物足りないかもしれないが、この秋には本格的なフルレンス・アルバムのリリースも予定されているという新鋭たちの紹介としては丁度良い作品なのではないだろうか。

楽曲はすべてピアノやシンセサイザーなど鍵盤楽器を担当するイルヴァ・アルムクランツ(Ylva Almcrantz) とリードヴォーカルのアンドレア・ハタンマア(Andrea Hatanmaa)の共作によって書かれている。ここに様々なグループで活躍する女性フリューゲルホルン奏者エレン・ペッテション(Ellen Pettersson)が柔らかい音色で主に対旋律やソロを取り、さらに男性ドラマーのリアム・アムナー(Liam Amner)、男性ダブルベース奏者のヨアキム・リスメイル(Joakim Lissmyr)がリズムと低音を堅実に支える。

ドイツのジャズの名門ACTレーベルからのリリースだが、本作は勿論ジャズからの影響を受けてはいるものの、ポストロックの強かでアーティスティックな風合いが若干強い。(1)「Leave Me Be」では淡々と進行する前半部分、シンセサイザーが唸りをあげる中盤〜後半部分とドラマティックな構成が特徴的で、一気にこのバンドの世界観に引き込まれてしまう。

(1)「Leave Me Be」

続くピアノのアルペジオとフリューゲルホルンのイントロが美しく印象深い(2)「Collective Heart」からラストの(4)「Those Who Are Near」まで、ピアノ(キーボード)とヴォーカルを中心に表現される洗練された青さとも呼ぶべき何とも魅力的な世界観はバンドの音楽的な懐の深さを感じさせる。

Ylva Almcrantz – piano, Rhodes, synthesizers, backing vocals
Andrea Hatanmaa – lead vocals, synthesizer, backing vocals
Ellen Pettersson – flugelhorn
Joakim Lissmyr – double bass
Liam Amner – drums, percussion

Guests :
Petter Hängsel – trombone
Erik Rönér – french horn
Thomas Lunderquist – french horn

Dearest Sister - Leave Me Be
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