音楽で繋がるブラジルとデンマーク。国境を越えるブラジリアン・ジャズの優雅な調べ

Morten Ankarfeldt, Edu Neves & Caio Marcio Santos - Cadência Verde e Amarela

ブラジルとデンマークと音楽家が集う『Cadência Verde e Amarela』

デンマーク出身のベーシスト、モーテン・アンカーフェルト(Morten Ankarfeldt)とブラジルのサックス&フルート奏者エドゥアルド・ネヴィス(Eduardo Neves) 、そして同じくブラジルのギタリスト、カイオ・マルシオ・サントス(Caio Marcio Santos)。伝統に即しつつも常に先進的な音楽を追求してきた彼ら3人の共同名義のアルバム『Cadência Verde e Amarela』が登場した。

アルバムには3人のオリジナルのほか、ジョアン・ジルベルト(João Gilberto)作の(4)「Hó-Bá-Lá-Lá」に(8)「Bim Bom」、ジョビン(Antônio Carlos Jobim)の(9)「Desafinado」といった往年のサンバ/ボサノヴァのスタンダードも。曲によってブラジルのアコーディオン奏者のベベ・クラメール(Bebê Kramer)やSSWルイーザ・ラセルダ(Luisa Lacerda)、パンデイロ・ヘピーキ・デュオのパンデイロ奏者ベルナルド・アギアール(Bernado Aguiar)、デンマークのハーモニカ奏者マティアス・ハイス(Mathias Heise)に女性サックス奏者クリスティーナ・フォン・ビューロー(Christina Von Bülow)といった豪華なゲストを多数迎えており、ブラジル発の音楽で大西洋を挟み遠く離れた両国を結びつける。

(1)「Cadência」はカイオ・マルシオ・サントス作曲。

ルイーザ・ラセルダが歌う(7)「Tim Tim Por Tim Tim」を除いて全てがインスト曲。
思えばもとよりデンマークを含む北欧はブラジル音楽との繋がりも深く、多くのブラジリアン・ジャズ系のレアグルーヴの傑作を生み出してきた。今作もそうした流れを汲んで育まれてきた音楽とグルーヴへの情熱が国境を越えて結実した一枚だといえそうだ。

フルートが軽やかに舞うブラジル北東部音楽風な(2)「Mas Que Rica Chinoquina」

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