バークリーで学ぶギタリスト、ガイ・ゴッテスフェルドのデビュー作
イスラエルのギタリスト/作曲家、ガイ・ゴッテスフェルド(Guy Gottesfeld)をリーダーとするジャズ・カルテットのデビュー作『Shalva』(2022年)。圧倒的なテクニックと独特のフレージング、スライドバーを用いたボトルネック奏法の多用、ジャズやブルース、ロックだけでなくアフリカや南米、ハワイの音楽からの影響など興味をそそられる作品だ。
アルバムのタイトル曲でもある(1)「Shalva」はヘブライ語で“心の平安”を意味する。ハンマリングとプリングによるトリル、スライドギターなどによってもたらされるサウンドは瞑想的で、一言で言うならば“桃源郷”。
続く楽曲群も前述のように様々な音楽的要素が混ざり合っているが、どれもポジティヴで多幸感溢れる音が心地よい。
ガイ・ゴッテスフェルドは今作ではエレクトリック・ギターのみを弾いているが、彼のInstagramなどを覗いてみるとクラシックギター(ガットギター)を演奏している動画も多く、幅広く豊かな音楽的感性を持った音楽家であることが窺える。
続々と新世代のミュージシャンが現れるイスラエルジャズの中でも、今後の活動を特に注視したいギタリストであることは間違いない。
Guy Gottesfeld 略歴
ガイ・ゴッテスフェルドはイスラエル随一のジャズ教育機関であるリモン音楽学校の出身。バンドは2019年に結成され、パンデミックの最中に曲を書き練習し、自粛期間が明けるとすぐにテルアビブの有名なライヴハウスなどで演奏を行なって名声を得ていった。
音楽的な影響源は主にジャズやブルースで、そこにアフリカやブラジルの要素を溶け込ませている。
現在、彼は米国ボストンのバークリー音楽大学で学んでいるようだ。
Guy Gottesfeld Band :
Guy Gottesfeld – guitar
Ido Eylon – keyboards
Uriel Kedem – bass
Guy Abada – drums