GTO Trio のベース奏者タル・マシアハ、ガットギターで天賦の才を魅せるソロデビュー作

Tal Mashiach - Tiyul

タル・マシアハ、ソロデビュー作は美しいガットギター作品

米国ニューヨークで活動するギタリスト/ベーシスト/作曲家タル・マシアハ(Tal Mashiach)が故郷イスラエルのハラシムの森の中にある小屋で録音したソロデビュー作『Tiyul』が素晴らしい。ガットギター(クラシックギター)のソロ、多重録音、弦楽や声楽を加えたアンサンブルなどうっとりするような気品のある演奏が続き、非常に高い音楽性を感じさせる絶品となっている。

ガディ・レハヴィ(Gadi Lehavi, p)、オフリ・ネヘミヤ(Ofri Nehemya, ds)と組むGTO Trioではベーシストとして知られる彼だが、今作ではギターに専念。アルバムタイトルの「Tiyul」はヘブライ語で“旅”を意味し、その名のとおりタル・マシアハのこれまでの旅の体験からインスパイアされた楽曲群を収録している。クラシック、ジャズ、フラメンコといった要素をごく自然に消化し、適度な複雑さとキャッチーな感覚が同居したコンポージングも、確かな基礎の上に独創的なアイディアが加えられた演奏も限りなく素晴らしく、時折遠くで小鳥たちの鳴き声も聴こえる録音は臨場感があり、ナイロン弦のギターによる深く美しい音楽を堪能できる。

(5)「Merengue Mediterráneo」のチェロやドラムスを交えたセッション(アルバム収録とは別音源)。ここでは2ndギタリストにニツァン・バール(Nitan Bar)を迎え、5拍子のリズムで独創的な演奏を聴かせてくれる。

1993年にイスラエルで生まれたタル・マシアハ。10歳からクラシックギターを、17歳でコントラバスを学び始め、エルサレム音楽アカデミーのクラッシックギター・コンクール国内部門第1位(2011 年)など数々の賞を受賞。テルアビブにあるイスラエル音楽学校でジャズを専攻したあと、クラシックとジャズの研究のための「アメリカ – イスラエル文化財団」からの年間奨学金を得てニューヨークの名門音楽学校ニュースクールに留学。
これまでにダニエル・ザミール(Daniel Zamir)、アナット・コーエン(Anat Cohen)、アヴィシャイ・コーエン(Avishai Cohen)、ムラトゥ・アスタトゥケ(Mulatu Astatke)、ジェフ・バラード(Jeff Ballard)といった国際的なミュージシャンと共演やレコーディングを行ってきた。

彼は音楽について、このように語っている:

音楽とは、最も深いレベルで人と人を結びつけ、コミュニケーションしながら生きるための方法だと考えています。音楽が人々に活力を与え、解放させる力には毎回驚かされます。この愛の形を創り続け、広めていこうという気持ちにさせてくれます。

talmashiach.com

(1)「Sheleg」

Tal Mashiach – guitar
Oded Shoub – guitar (6)
Aviva “Vv” Mashiach – vocals (7)
Dana Herz – vocals (7)
Keren Tenenbaum – violin (7)
Galia Hai – viola (7)
Maya Belsitzman – cello (7)

Tal Mashiach - Tiyul
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