蝶のように美しく舞う北欧ジャズ・ヴィブラフォン。ポーランド若手No.1マルチン・パテル新譜

Marcin Pater Trio - Between

レシェック・モジジェル参加!マルチン・パテル待望の2nd

ポーランドの若手ヴィブラフォン奏者、マルチン・パテル(Marcin Pater)が自身のトリオに加えピアニストのレシェック・モジジェル(Leszek Możdżer)と、さらに数曲でマルチンのトリオのデビュー作『Nothing But Trouble』にも参加していたギタリストのヤコブ・ミゼラッツキ(Jakub Mizeracki)を再びゲストに迎えた2022年新譜『Between』。ヴィブラフォンの魅力である宝石のように美しい音色、蝶が舞うような速いパッセージ、長いサステイン(残響音)を利用した空間的な表現などジャズ・ヴィブラフォンの魅力も詰まった素晴らしい作品だ。

Marcin Pater Trioは、ポーランド南部の都市カトヴィツェにあるカロル・シマノフスキー音楽アカデミーのジャズ学部とポピュラー音楽の卒業生である3人によって結成された。トリオは2018年にポーランドのクラクフで開催されたジャズ・ジュニア・コンテストでグランプリを獲得。さらにルーマニアのシビウで開催されたシビウ・ジャズ・コンテストで「Take Down」(アルバム『Nothing But Trouble』収録)という曲で1位となり、最優秀作曲賞も受賞している。

ポーランドを代表するピアニストであるレシェック・モジジェルの本作への参加は2020年のコンペティションで彼らが最優秀賞に輝いたことをきっかけに実現したもの。収録の10曲はすべてマルチン・パテルの作曲で、超絶技巧のヴィブラフォンに絡むレシェック・モジジェルの妙技、そしてヤコブ・ミゼラッツキがもたらすジャズロック風味も特徴的な優れた音楽作品に仕上がっている。

(1)「Outcast」

曲によってダブルベースとエレクトリック・ベースを弾き分けるベーシストのマテウシュ・シェブチック(Mateusz Szewczyk)、輪郭のはっきりとしたスネアやハイハットでリズムをより親しみやすくするアダム・ヴァイジク(Adam Wajdzik)との洗練されたアンサンブルも完璧。あらためてポーランドのジャズのレベルの高さを感じさせてくれるコンテンポラリー・ジャズの傑作だ。

Marcin Pater – vibraphone
Mateusz Szewczyk – contrabass, electric bass
Adam Wajdzik – drums
Leszek Możdżer – piano
Jakub Mizeracki – electric guitar (1, 7, 10)

Marcin Pater Trio - Between
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