土着志向の強いイスラエルのエスノ・ジャズ、Caifas
イスラエルで活動するエスノ・ジャズバンド、CaifásのデビューEP『The Meggido Sessions』。ジャズや中東音楽をベースにした複雑で個性的な楽曲を、ピアノ、ウード、サックス、ベース、ドラムスのクインテットで聴かせる魅力的なグループだ。数多いイスラエル・ジャズの若手グループの中でも、彼らのその土着志向で右に出るものはなかなかいないであろう。
アルバムはイスラエル・メギドの地域評議会によるラボ・レジデンシー・プロジェクトの一環として経済的な支援を受け録音されたという。EPはわずか5曲、合計24分と短いが、(1)「Layali」を一聴すれば、すぐに叙情的なピアノと魔法のようなウードの音色の虜になることは間違いない。エレクトリック・ベースは太く骨格を支え、ドラムスは現代ジャズの剛柔を併せ持ち、サックスは魔法に命を与えるようにメロディーに効果的なアクセントを加える。一発録音のライヴ感も強く、非常にエネルギーを感じる演奏だ。
個々のテクニック──特にピアニストのニムロッド・エルダー(Nimrod Eldar)とウードのエリラン・スウィッサ(Eliran Swissa)の二人のセンスは聴きどころだ──も申し分なく、EPのボリュームでは物足りない。フルアルバムの発信が待ち遠しいバンドだ。
彼らの情報はインターネット上にもまだ僅かしか発信されていない。
Facebook、Instagram、YouTubeにはオフィシャルのチャンネルがあるので、音源を聴いて気になった方はぜひフォローをして動向を注視いただきたい。
Caifás :
Nimrod Eldar – piano
Eliran Swissa – oud
Ron Barzilai – bass
Guy Milles – saxophone
Amir Korman – drums