Ana Vilela 4年ぶりの3rdアルバム『Melhor Que Ontem』
2017年に「Trem-Bala」が大ヒットし一躍スターとなったブラジルのSSW、アナ・ヴィレラ(Ana Vilela)が4年ぶりとなる3rdアルバム『Melhor Que Ontem』をリリースした。ブラジル中を虜にした柔らかく繊細な声はそのままに、今作はブラス隊もフィーチュアし従来よりも幾分ファンク寄りのバンドサウンドを展開。類稀なソングライティングが光る傑作に仕上がっている。
打ち込みやポスト・プロダクションを多用した前作『Contato』(2019年)からサウンドは一変。アコースティック主体のジャジーで洗練された音に彼女の声の良さが最大限に映え、ほのかなR&Bのテイストも心地よい。(1)「Premissa」から良曲揃いで、彼女のアーティストとしての成熟ぶりがうかがえる。
アルバムタイトルは英語訳で“Better than Yesterday”。一気に有名になってしまったことで多くの賞賛を浴びる一方で、謂れのない批判や誹謗中傷に深く傷つき、悩まされてきたという彼女。長期のうつ病も患い、セラピーも受けた。それでも昨日より今日の方が良い日になる、明日はもっと良い日になると信じ前向きなメッセージを歌うこの作品は、多くの思い悩める人々にとって素晴らしい贈り物となることだろう。アナ・ヴィレラのそのメッセージは、他の誰でもない、自分自身に言い聞かせるためのものだからこそ、嘘偽りがないのだ。
Ana Vilela プロフィール
アナ・ヴィレラ(Ana Vilela)は1998年ブラジル・パラナ州生まれ。
12歳の頃からギターを弾き歌を歌っており、2016年10月にYouTube上にアップした自作の「Trem-Bala」がインターネット上で大きな話題となり2017年に作られた公式ヴィデオ・クリップは実に2億回以上の再生数を記録。楽曲も多くの著名人によってカヴァーされるなど社会現象となった。
2017年にデビュー・アルバムの『Ana Vilela』を、2019年には2nd『Contato』をリリース。今作は待望の第三作目となっている。
同性愛者であり、2018年にTwitterで知り合ったという女性と結婚している。