オリエンタルの風を纏い、トルコから羽ばたく女性ジャズ・ピアニスト。Eda And デビュー

Eda And - Augmented Life

トルコ出身のピアニスト/作編曲家エダ・アンドのデビュー作

トルコ出身・ドイツ在住のピアニスト、エダ・アンド(Eda And)。彼女のデビュー作『Augmented Life』(2018年)は、そのタイトル“拡張された人生”が示すとおり、トルコの民族音楽や西洋のクラシック音楽を大胆に取り入れつつもジャズの魅力を損なわない優れた作品だ。全7曲中、フレデリック・ショパンの「幻想即興曲」を下敷きに彼女がアレンジした(5)「Jazz Fantasie」を除くすべてがエダ・アンドの作曲。緻密な構成の楽曲群が弦楽四重奏楽団イズミル・ジャズ・ストリングス(Izmir Jazz Strings)も交えスリリングに演奏される。

場面転換の妙技が楽しめる(1)「Hamburg Medley」はブレーメンやハンブルクの街への想いを綴ったもの。彼女にとってこれらの街は“温かい人々、楽しい日曜の朝食、おいしいレストラン、素晴らしいジャズクラブ、寒くて雪の多い海岸線、カラフルなナイトライフ、フェスティヴァル、そして長い間ほかの場所では味わうことができなかった新鮮な空気…”だという。後半はジャズ・フュージョンの趣になり、なんともトルコらしい。

つづく(2)「Nine Eight Blues」はその名のとおり9/8拍子のリズムが特徴的だ。セルダル・バルチン(Serdar Barçin)によるフルートは異国情緒満載。

(2)「Nine Eight Blues」

ラストの(7)「Oyun」もエダ・アンドの作曲、アレンジメント、演奏の良さを際立てる。緩急自在の構成は映像的な魅力があり、デビュー作ながら音楽家としての成熟を感じさせる。

(7)「Oyun」

Eda And プロフィール

エダ・アンドは1988年12月にトルコ西部の都市イズミルの音楽一家に生まれた。幼少期より母親からピアノを習いベーシストの父親キュルシャト・アンド(Kürşat And)からジャズを学んだ。2003年にドクズ・エイリュル大学イズミル国立音楽院のピアノ科に入学。
同大学卒業後の2008年に最初のピアノ協奏曲「Mi Re La」を作曲し、イズミル国立交響楽団と共演した。その後ドイツに招待され、ブレーメン国際青少年交響楽団と再びピアノ協奏曲を演奏している。

以降は2009年からドイツのハンブルク音楽大学で学んだり、ドイツを代表するビッグバンドであるNDR Bigband と共演するなどドイツを拠点に活動。2018年にデビュー・アルバム『Augmented Life』を、2022年にライヴ盤『Live in Hamburg』をリリースしている。

Eda And – piano
Sibel Köse – vocal
Yahya Dai – alto saxophone, EWI
Serdar Barçin – flute, alto flute, alto saxophone
Engin Recepoğulları – tenor saxophone, soprano saxophone
Volkan Hürsever – bass
Volkan Öktem – drums
Türker Çolak – percussion

Izmir Jazz Strings :
Can Güçkan – violin
Çağlar Haznedaroğlu – violin
Ziya Güçkan – viola
Serdar Mamaç – cello

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