ヨーロッパ・ジャズの洗練の極致。ピエール・ブサゲ&ジョヴァンニ・ミラバッシのデュオ作

Pierre Boussaguet Giovanni Mirabassi - Duo

Pierre Boussaguet & Giovanni Mirabassi『Duo』

フランスのベーシスト、ピエール・ブサゲ(Pierre Boussaguet)とイタリア出身のピアニスト、ジョヴァンニ・ミラバッシ(Giovanni Mirabassi)の珠玉のデュオ作『Duo』。二人のオリジナルのほか、(6)「My funny Valentine」や(10)「La vie en rose」といったスタンダードも交えリラックスした演奏を聴かせてくれるジャズの絶品だ。

子供が遊び回るような楽しげなフォービートのスウィング・ジャズと優雅な午後を思わせるワルツが交互に訪れる(1)「Portrait de famille」(家族の肖像)、ミラバッシらしい甘くロマンティックな(2)「Red for Fred」、気分よく幸せな時間の流れる(3)「Villa Bys」など、ピアノとベースのデュオという最小限の編成ながら印象深い演奏が続く。テーマは美しく、それぞれのソロも卓越した技術と叙情性でまさに“語りかけるような”素晴らしい演奏。

スタンダード(6)「My funny Valentine」ではジョヴァンニ・ミラバッシは珍しくローズピアノを弾いている。ピエール・ブサゲが作曲にジョヴァンニ・ミラバッシに捧げた(7)「Specchio con Giovanni」は軽快にスウィングする6/8拍子が絶妙。

ピエール・ブサゲとジョヴァンニ・ミラバッシのデュオ演奏動画。曲は本作未収録の「Insensatez」(How Insensitive)

二人の優れたジャズ・ミュージシャンの人生が垣間見えるような、素敵なアルバムだ。

Pierre Boussaguet プロフィール

ベースのピエール・ブサゲは1962年フランス・タルヌ県アルビ生まれ。9歳でアコーディオンを学び始め、13歳で自分のグループを作った。
それまで興味のなかったというジャズには、渋々連れて行かれたというレイ・ブライアント(Ray Bryant)のトリオによるコンサートを観て衝撃を受けたことで開眼。銀行員としてのキャリアを捨て、ジャズ・ベーシストになるという決意をした瞬間だった。

1988年に自身のアイドルでもあった米国のベーシスト、レイ・ブラウン(Ray Brown)との共演作『Two Bass Hits』をリリース。以降、フランスを代表するベーシストとして活躍を続けている。

Giovanni Mirabassi プロフィール

ジョヴァンニ・ミラバッシは1970年イタリア・ペルージャ生まれのピアニスト。10歳の頃にジャズに出会い、独学でピアノを始めた。現在はフランス・パリのマンモルトルを拠点に活動している。

2001年にリリースした『Avanti!』は世界各地の反戦歌や革命歌といった硬派なテーマのピアノ独奏作品だったが、ジャズの、しかもソロピアノのアルバムとしては異例の全世界で10万枚以上のセールスを記録。一躍彼の名を世界に轟かせる名盤となった。
実兄は人気ジャズクラリネット奏者のガブリエーレ・ミラバッシ(Gabriele Mirabassi)。

Pierre Boussaguet – double bass
Giovanni Mirabassi – piano, Rhodes piano

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