イタリア出身叙情派ピアニスト、ジョヴァンニ・ミラバッシ新譜はサックスを迎えたカルテット

Giovanni Mirabassi - The Swan and the Storm

ジョヴァンニ・ミラバッシ新作『The Swan and the Storm』

イタリア出身のピアニスト、ジョヴァンニ・ミラバッシ(Giovanni Mirabassi)の新作『The Swan and the Storm』は彼としては珍しいサックスを迎え入れたカルテットでの作品となった。全曲がジョヴァンニ・ミラバッシの作曲で、彼に特徴的なエンリコ・ピエラヌンツィ直系の内面から溢れ出すようなイタリアン・リリシズムも健在。非常にクオリティの高い欧州ジャズのアルバムに仕上がっている。

今作の編成はピアノのミラバッシほか、サックスにジャンルに囚われない活動で知られるギヨーム・ペレ(Guillaume Perret)、ベースに初共演となるクレメント・ダルドッソ(Clément Daldosso)、ドラムスには長年の盟友であるルクミル・ペレス(Lukmil Perez)という編成。ソロやピアノトリオ編成のイメージが強いミラバッシ作品としての注目はやはりサックスなのだが、ギヨーム・ペレは得意のエレクトロニックは一切用いず、ここでは古典的なテナーサクソフォン一本を用い、斬新さよりも調和を意識したプレイを披露している。

(4)「The Swan and the Storm」

全曲がジョヴァンニ・ミラバッシのオリジナル。抒情的な側面のミラバッシは(2)「Red for Fred」や(4)「The Swan and the Storm」に特に顕著で、彼らしい深みのある作曲と即興演奏が堪能できる。

Giovanni Mirabassi プロフィール

ジョヴァンニ・ミラバッシは1970年イタリア・ペルージャ生まれのピアニスト/作曲家。10歳の頃にジャズに出会い、独学でピアノを始めた。現在はフランス・パリのマンモルトルを拠点に活動している。

2001年にリリースした『Avanti!』は世界各地の反戦歌や革命歌といった硬派なテーマのピアノ独奏作品だったが、ジャズの、しかもソロピアノのアルバムとしては異例の全世界で10万枚以上のセールスを記録。一躍彼の名を世界に轟かせる名盤となった。
実兄は世界的なジャズクラリネット奏者のガブリエーレ・ミラバッシ(Gabriele Mirabassi)。

(1)「Getting Nasty」

Giovanni Mirabassi – piano
Guillaume Perret – saxophone
Clément Daldosso – contrabass
Lukmil Perez – drums

Guest :
Alexandra Comnos – voice

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