ブラジルの色彩が凝縮された驚異のソロピアノ。サロマォン・ソアレス新譜『Interior』

Salomão Soares - Interior

ブラジル最高峰ピアニスト、サロマォン・ソアレスのソロ作

現代最高峰のピアニスト/作曲家サロマォン・ソアレス(Salomão Soares)の新譜『Interior』がリリースされた。リオデジャネイロにある1世紀以上の歴史あるオペラ劇場であるペドロ2世劇場(Theatro Pedro II)で、たった一人グランドピアノに向かい記録された本作は、この稀有な芸術家の音楽経験、世界観、表現技術などあらゆる要素が凝縮された驚くべきアルバムだ。

サロマォン・ソアレスの指先が紡ぎ出す音からは、生きたブラジルのリズムがとめどなく聴こえてくる。
彼のピアノはエグベルト・ジスモンチ(Egberto Gismonti)やアンドレ・メマーリ(André Mehmari)と同種のもので、その豊かな色彩を持った音の言いようのない美しさは既に異次元のレベルにあるように思える。

アルバムには彼のオリジナルが7曲。バイアォンやフォホーといったブラジルの音楽文化からの強い影響とジャズの即興を高次元に融合させた最高の音楽表現を聴かせてくれる。残り2曲はカヴァーで、いずれもブラジルを代表する偉大な音楽家の楽曲だ。

ペドロ2世劇場での演奏動画。

(6)「Desafinado」はアントニオ・カルロス・ジョビン(Antonio Carlos Jobim)が遺したボサノヴァの代表曲。ここではボサノヴァに特徴的なリズムパターンは一切用いずに、ジョビン特有の個性的なコード進行や美しいメロディを素材として活用し、その音楽の真の魅力を強調する演奏としている。

(8)「Fátima」はエルメート・パスコアール(Hermeto Pascoal)のカヴァー。こちらも複雑な和声進行をプレイグラウンド(遊び場)と捉え、自由に解釈し即興演奏を繰り広げる様が最高に気持ちいい。

Salomão Soares 略歴

サロマォン・ソアレスはブラジル北東部のパライーバ州の自然豊かな地で生まれた作曲家/ピアニスト。
父親はルイス・ゴンザーガ、パウリーニョ・ダ・ヴィオラ、エリス・レジーナなどを聴き、母親もギターをつま弾き歌うという音楽好きの家庭で育ち、サロマォン少年も街のバンドでサックスを吹いたりパーカッションを叩くなど音楽に浸って成長した。

2008年から作曲や編曲に没頭し、サンパウロに移住しエルメート・パスコアール・グループの鍵盤奏者アンドレ・マルケス(André Marques)に師事。音楽院でポピュラーピアノを学び、2017年にはスイスのモントルー・ジャズフェスティヴァルのピアノコンクールのファイナリストに。
これまでにエルメート・パスコアール(Hermeto Pascoal)、トニーニョ・フェハグッチ(Toninho Ferragutti)、レニー・アンドラーヂ(Leny Andrade)など巨匠たちとも共演し、ここ数年のブラジル音楽界で最も注目されるピアニストのひとりとなっている。

Salomão Soares – piano

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