ドイツの新星サックス奏者ヴィクター・フォックス、やり場のないエネルギーが炸裂するデビュー・アルバム『Mumble Jazz』

Breeezy & Victor Fox - Mumble Jazz

ドイツの新星サックス奏者の弾丸のようなデビュー作

サーキュラー・ブリージー(Circular Breeezy)の名でも知られる2000年生まれのドイツのサックス奏者/作曲家ヴィクター・フォックス(Victor Fox)。彼のデビュー作『Mumble Jazz』で彼の音を初めて聴いたが、もうめちゃくちゃに熱く、クレイジーで最高だ。

ヴィクター・フォックスを中心とするカルテットでのアンサンブルは獰猛な狂気すら感じさせる。全8曲ヴィクター・フォックスの作曲で、そこには伝統的なジャズだけでなくロックや現代音楽など様々な音楽ジャンルの要素が垣間見える。彼にともに激走するのは1996年デンマーク生まれのアルトサックス奏者アスガー・ニッセン(Asger Nissen)、骨太でソロも素晴らしいベルリン生まれのベース奏者トビアス・フローリッヒ(Tobias Fröhlich)、そしてこちらも若さ溢れる力強いプレイが印象的なヤン・アイナー・グロー(Jan Einer-Groh)。彼らが集って完成した音は、エネルギーに有り余る男子のやり場のない攻撃性の音楽的な発露にほかならない。

(2)「Warne Marsh stole ma licks/Kiss ma scars」

この作品は、“ジャズに再びストリートの信頼性を与える試み”なのだという。
ヴィクター・フォックスは自慢げに、次のように語っている:

ビギー(Biggie)やアルケミスト(Alchemist)のようなサウンドだけど、オーネット(Ornette Coleman)とドルフィー(Eric Dolphy)と組み合わせたもので、本当に新鮮で、このようなものは聴いたことがない!

highresaudio.com

Victor Fox 略歴

ドイツ・ゼーリゲンシュタットで生まれ育ったヴィクター・フォックスは、9歳の頃からサックスの演奏を開始。ビッグバンドに所属し、2014年にゼーリゲンシュタット市楽団の室内オーケストラにソリストとして出演した。2011年から2017年まで、ヘッセン州ユース・ジャズ・オーケストラのメンバーとなり、2016年から2018年にかけてフェデラル・ジャズ・オーケストラの結成以来最年少の首席テナーサックス奏者となった。

(3)「Cys, was für Prinzen, ja’」

Victor Károly Fox a.k.a. Circular Breeezy – saxophones
Asger Nissen – alto saxophone
Tobias Fröhlich – bass
Jan Einer-Groh – drums

Breeezy & Victor Fox - Mumble Jazz
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