モロッコ出身の巨匠ドラマー モクタル・サンバ、音楽の豊かな多様性への賛歌『Safar』

Mokhtar Samba - Safar

ベテラン・ドラマー、モクタル・サンバ 音楽の歓喜に満ちた新譜

モロッコとセネガルにルーツを持ち、フランスで活動するドラマー、モクタル・サンバ(Mokhtar Samba)の新作『Safar』。キャリアの初期でエディ・ルイスに見出され、ジャコ・パストリアスのサポートを行い、その後スアド・マッシ、サリフ・ケイタ、ユッスー・ンドゥール、カルリーニョス・ブラウン、カルロス・サンタナ、ジョー・ザヴィヌルら多くの世界的音楽家とプレイしてきた1960年生まれの彼が今もなお音楽観をアップデートし続け、最先端でいることを証明する傑作だ。

「Safar Suite」と名付けられた壮大な組曲を含む今作は、アフリカ音楽やラテン音楽を始めとしたさまざまなスタイルをジャズの大鍋でかき混ぜたような楽しさで、アラビア語で「旅」「航海」を意味するタイトルを体現している。彼が叩くドラムスのリズムパターンは非常に豊富で曲によってさまざまな表情が楽しめ、概してエネルギーに満ちている。バンドを固めるピアノのセドリック・ドゥシュマン(Cedric Duchemin)、ベースのテディ・ソーレス(Teddy Sorres)、キーボード/シンセサイザーのジャン=フィリップ・リキエル(Jean-Philippe Rykiel)らの演奏も素晴らしい。

(2)「Liguey (Fenel)」

収録曲はダンサブルなアフリカン・グルーヴのヴォーカル曲(1)「Claudia」に(2)「Liguey (Fenel)」、ブラジルのアシェー歌手サウロ・フェルナンデス(Saulo Fernandes)によるポルトガル語のラップが印象的な(4)「Salvador」、ヤクーバ・シソコ(Yacouba Sissoko)のコラとジャン=フィリップ・リキエルのシンセをフィーチュアした(5)「Conversations」、旅にまつわる組曲(7)〜(10)「Safar Suite」、カリブ海のリズムに踊る(14)「Caraïbes Remembers」、約40年前に彼をジャズ・フュージョンの世界に導いた恩師エディ・ルイスに捧げた(16)「For Eddy Louiss」など。いずれの楽曲も喜びの感情に満ち、聴いていて楽しい気分にさせてくれる。

(4)「Salvador」

Mokhtar Samba – drums, percussions
Cedric Duchemin – piano
Teddy Sorres – bass
Brahim Wone – guitar
Arnold Moueza – percussions
Maceo Le Fournis – saxophones
Jean-Philippe Rykiel – keyboards

Mokhtar Samba - Safar
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